小松菜、青梗菜、空芯菜、キャベツなど、夏の暑い時期でも植えられる野菜は沢山あります。
6・7・8月の夏に種まき・苗を植えて育てられる葉物野菜の栽培方法と、育て方のコツを紹介します。
種まきから収穫までの期間、家庭菜園での栽培難易度、手順早見表、おすすめの品種などを野菜毎に説明していきます。
畑などの地植えだけでなく、ベランダ・庭先でのプランターでも栽培ができる品種がありますので、是非チャレンジしてみてください。
夏に育てる野菜の特徴
夏に種まき・苗を植える葉物野菜は、品種によって好む温度や環境がさまざまで対策も必要になります。
雨が多く湿度が高い6・7月は病気が発生しやすく、8月以降になると気温が上昇して虫も増えるので、それぞれ野菜によって、風通しを良くして消毒やトンネル栽培をするなど、対策をしながら育てます。
また、暑いので外で活動する時間にも注意が必要です。
涼しい時間帯で家庭菜園を行い、水分補給をこまめに行いましょう。
6・7・8月に種まき・苗を植えられる野菜(葉物類)
小松菜(地植え・プランター両方可能)
栽培難易度
★☆☆
種まきと収穫の時期
・種まき:3〜11月まで随時種まきができます。
・収穫:種まきから1〜3ヶ月で収穫可能
育て方の手順
①土作り(耕す/肥料/畝)→ ②種まき→ ③追肥・土寄せ→ ④収穫
栽培の特徴
原産地は日本で、東京の小松川で多く栽培されたことにちなんで小松菜という名前がつけられました。
別名ウグイス菜とも呼ばれ、βカロテン、カルシウム、鉄分、繊維質を豊富に含む健康野菜です。
生育適温は15〜20度。やや涼しい気候を好みますが、暑さにも比較的強く家庭菜園向きの作りやすく失敗しにくい野菜です。
連作障害の影響も受けないので、一年中作ることができます。
おすすめの品種
きよすみ/なかまち/黒みずき小松菜/みたか黒小松菜/あおい小松菜
育て方のポイント
✔ 生育期間が短いので追肥は少なめでOK
✔ 高い畝をつくる必要はなし
✔ 発芽率が高いので、種を沢山まきすぎない
✔ 間引きしながら大きく育てる
✔ 夏場は害虫が出るので、寒冷紗などで対策を
夏季を除き一年中収穫が栽培、収穫ができますが、なかでもお勧めは10月の種まきです。大きく成長した後に、12月には寒さで成長が止まりますが、その後2月まで収穫がかできます。
下に当たって甘みを増す冬が栽培の旬で、霜にあたると美味しくなります。
暑い時期は防虫ネットなどで害虫を防ぎましょう。
カラシナ・芥子菜・辛子菜(地植え・プランター両方可能)
栽培難易度
★☆☆
種まきと収穫の時期
・種まき:春(3〜4月)、夏(7月)、秋(9〜10月)に種まきができます。
・収穫:種まきから1ヶ月で収穫可能
育て方の手順
①土作り(耕す/肥料/畝)→ ②種まき→ ③追肥・土寄せ→ ④収穫
栽培の特徴
葉に辛味があることが特徴のマスタードの原料にもなっている野菜です。
大きな葉っぱを収穫して漬物や炒め物にすることで、独特の風味を楽しむことができます。
生育適温は15〜20度。冬を除いて種まきができますが、初心者の方には秋に種まきをして、冬に収穫を行うのが害虫なども少なく育てやすいとされています。
おすすめの品種
カラシナ/高菜/マスタードグリーン
育て方のポイント
✔ 発芽後に葉がなるべく重ならないように、間引きしながら栽培する
✔ 特に苗が小さい頃にアブラムシ、シンクイムシの被害を受けやすいので、確認をこまめに
✔ 梅雨の時期は育ちが悪くなるので、種まきを避ける
日当たり、風通し、水はけの良い環境を好みますので、植える場所やプランターの置き場所などに注意しましょう。
また、暑い時期は害虫が多くなりがちなので、防虫ネットなどで害虫を防ぎましょう。
カラシナは葉や茎が大きく成長するほど、辛味が増しますので、程よい大きさで随時収穫をすることで美味しく食すことができます。
チンゲン菜(地植え・プランター両方可能)
栽培難易度
★★☆
種まきと収穫の時期
・種まき:4〜9月まで随時種まきができます。
・収穫:種まきから1〜2ヶ月で収穫可能
育て方の手順
①土作り(耕す/肥料/畝)→ ②種まき→ ③追肥・土寄せ→ ④収穫
栽培の特徴
原産地は中国で、暑さ寒さに強く、土質も選ばずに栽培しやすい家庭菜園でも人気の野菜です。
おすすめの品種
青帝チンゲン菜
育て方のポイント
✔ 元肥をしっかり施す
✔ 種にかぶせる土は薄めでOK
✔ 発芽率が高いので種のまきすぎに注意
✔ 間引きした苗も植え直して育てられる
✔ 丈夫で簡単に育つので家庭菜園向き
間引きながら育て、最終的には株間を10cmほどで収穫できるようにします。畑に長く置いてしまうと、茎が厚くなって、尻が張って重くなり食感が筋張って美味しくなくなりますので、種まきは一度に多くまき過ぎないようにしましょう。
おすすめの種まき時期は10月上旬で、長く美味しく収穫ができます。
また、12月上旬の栽培には鳥よけの為にべたがけを、暑い時期には害虫対策に防虫ネットが効果的です。
空芯菜(地植え・プランター・水耕栽培可能)
栽培難易度
★☆☆
種まきと収穫の時期
・種まき:4〜7月
・収穫:種まきから2〜3ヶ月で収穫可能
育て方の手順
①土作り(耕す/肥料/畝)→ ②種まき→ ③追肥・土寄せ→ ④収穫
栽培の特徴
中国や東南アジアで栽培されている野菜です。茎の中が空洞になっていることから、「空芯菜」「エンツァイ」「アサガオナ」とも呼ばれます。暑さには強いが、寒さに弱くプランター栽培も可能です。
育て方のポイント
✔ 種をまく前日に一晩水に浸けておくと、発芽率が高まる
✔ 多湿を好み乾燥が苦手。土の状態をみてよく水やりを行いましょう
✔ 土が乾く場合にはマルチなどで対策を
ベビーリーフ(地植え・プランター両方可能)
栽培難易度
★☆☆
種まきと収穫の時期
・種まき:3〜10月
・収穫:種まきから1〜2ヶ月で収穫可能
育て方の手順
①土作り→②種まき → ③追肥→ ④収穫
栽培の特徴
さまざまな葉形の品種があり、緑色やライム、赤色など、色とりどりのレタスがミックスされたものが販売されています。栽培はとても簡単で収穫も早く、見た目も楽しめるので、ベランダなどでプランター栽培がオススメです。
育て方のポイント
✔ 種まき後に土を厚くかぶせない
✔ 水やりで種が流れないようにする
土作りは市販の培養土を使うと楽に栽培ができます。
また、種まき後に土はかぶせないで優しく水やりを行います。
間引きをしながら、1株ごとに収穫をするか、間引かずに育てて根を残して収穫することで、再び新芽を伸ばして収穫をする方法があります。
ロマネスコ(地植え・プランター両方可能)
栽培難易度
★☆☆
種まきと収穫の時期
・種まき 7〜8月→苗の植え付け8〜9月頃
・収穫:種まきから3ヶ月程度で収穫可能
育て方の手順
①種まき→ ②土作り(耕す/肥料/畝)→ ③苗の植え付け→ ④追肥・土寄せ→ ⑤収穫
※苗を購入する場合は②から
栽培の特徴
カリフラワーやブロッコリーと同様に、花蕾と呼ばれるつぼみの部分を食べる野菜です。
栽培方法はカリフラワーと似ていて、ポットを使用して種まきをして大きくなったものを植え付けて育てます。
野菜作りに慣れていない方は、苗を購入して育てると成功率が高まります。
連作を嫌うため、休栽期間を2年ほど必要とします。
育て方のポイント
✔ 肥料切れを起こさないように、追肥をしっかり行います
✔ プランター栽培の場合は、30cm以上の深めのものを用意
✔ 湿度・乾燥に弱いので、水はけが良い場所で水を切らさないように
比較的育てやすいですが、病害虫の被害に遭いやすいので注意が必要です。
また、畑など直植えで育てる場合には、地面近くで花蕾(つぼみ)が育つので、凹凸の多い花蕾が土で汚れてしまうことがありますが、よく洗えば食べるのに影響はありません。
キャベツ(地植え)
栽培難易度
★★☆
種まきと収穫の時期
・種まき
春まき 3〜4月→苗の植え付け5月頃
夏まき 7〜8月→苗の植え付け8月頃
秋まき 9〜10月→苗の植え付け11月頃
・収穫:種まきから3〜5ヶ月で収穫可能
育て方の手順
①種まき→ ②土作り(耕す/肥料/畝)→ ③苗の植え付け→ ④追肥・土寄せ→ ⑤収穫
※苗を購入する場合は②から
栽培の特徴
和洋中など料理の種類を問わずに幅広く利用され、品種も豊富な野菜です。
春、夏、秋に種まきができ、それぞれの季節に強い改良された品種が揃うので、品種を選んでほぼ1年中収穫ができます。
害虫がつきやすく、やや手間がかかりますが、大きく育ちぜひ作りたい定番野菜です。
連作を嫌うため、休栽期間を2年ほど必要とします。
おすすめの品種
味王四季どりかんらん(春・秋)、富士早生(秋)、レッドルーキー(赤キャベツ)、ルビーボール(赤キャベツ)
育て方のポイント
✔ 株元の土が流れないように押さえて育てる
✔ 水はけが悪いと根が痛むので、畝が崩れてきたら、土寄せをして畝の高さを保つように
✔ 暑い時期は特に病害虫対策を万全に
キャベツにはさまざまな作り方があり、品種によって種まきや収穫までの期間が大きく異なります。
畑に余裕があるなら、いくつかの品種を作ると長く収穫が楽しめます。
また、肥料が不足すると結球しないので、土作りの段階でしっかりと元肥を入れましょう。
害虫被害が大変多い野菜なので、防虫ネットや薬剤などで対策が必要です。
レタス(地植え・プランター)
栽培難易度
★★★
種まきと収穫の時期
・種まき 8月頃
・収穫:種まきから2〜3ヶ月で収穫可能
育て方の手順
①種まき→ ②土作り(耕す/肥料/畝)→ ③苗の植え付け→ ④追肥→ ⑤収穫
※苗を購入する場合は②から
栽培の特徴
レタスには結球するものと半結球する品種があります。
プランター栽培の場合、結球する品種では、できるだけ大きなプランターを使用して育てる必要があります。
また、種は直まきをせずに、購入するかポリポットを利用してまきます。
大きく育てるには多くの養分が必要となるので、肥料切れしないように注意が必要です。
おすすめの品種
サニーレタス/茎レタス/フリルレタス/ブーケレタス/グリーンカール/サンチュ
育て方のポイント
✔ 種に土を厚くかぶせず薄くかぶせる
✔ 種まき後は涼しい場所で発芽させる
✔ 害虫に弱いので、暑い時期は特に病害虫対策を万全に
✔ 日照不足や高温で結球しなくなる(食べれます)
✔ 雨や乾燥が続くと葉が痛むので、水はけを良くしてマルチを行う
MAKI
埼玉県南中部に自らの畑を持ち休日に農業を行う。農薬を一切使用しない無農薬栽培歴は今年で8年。年間20〜30品目の野菜を栽培。