カラシナ(芥子菜/辛子菜)の栽培と育て方手順|地植え・プランター

カラシナの栽培野菜の育て方
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家庭菜園をこれから始める初心者の方〜中級者の方へ、カラシナの育て方の手順を、写真とイラストでわかりやすく解説します。
カラシナ栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、品種、病害虫への対策、美味しく育てるポイントなどをご説明していきます。

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カラシナとは

学名Brassica juncea
和名/別名からし菜(カラシナ・芥子菜)
英名leaf mustard
原産地中央アジア
科・属名アブラナ科・アブラナ属
主な栄養価カリウム/マグネシウム/ビタミンC/ビタミンB6/ナトリウム/鉄
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カラシナ栽培の特徴と適した環境

カラシナはアブラナ科の野菜で、ほうれん草などの野菜と同じ仲間に分類されます。アリルイソチオシアネートという辛味成分が、ピリッとした味わいを出し、マスタードなどの原料にも使用されています。
寒さなど環境の適応性に強く、4〜5月の春植えと9〜10月の秋植えで長く栽培・収穫が楽しめます。
収穫時期が長い為、元肥・追肥を行いながら栽培する必要があります。
初心者の方には、春植えよりも害虫被害の少ない秋植えでの栽培がおすすめです。

発芽地温15℃〜20℃前後
生育適温15℃〜20℃前後
種まき〜収穫までの期間45日程度 
連作障害有り(1〜2年)
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カラシナ栽培で用意するもの

・畑などで直まきの場合

1.カラシナの種
2.苦土石灰(100円ショップでも購入可能)
3.堆肥
4.化成肥料

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・プランターの場合

1.カラシナの種
2.プランター
3.野菜用培養土
4.液肥

・家庭菜園で使用する道具ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園で使用する道具と使い方

栽培時期カレンダー

カラシナの種まきから収穫までの栽培時期・栽培スケジュールは以下のようになります。

カラシナの栽培カレンダー※春:春まきの場合/秋:秋まきの 場合

栽培/育て方の手順

カラシナに適した土づくり(地植えの場合)

①酸度調整

苦土石灰をまいている

カラシナは弱酸性の土壌を好みますので、酸性の土壌では、植え付けの2週間前に苦土石灰をまいて土の酸度を調整し、よく耕しておきます。(目安:120g※3つかみ程度/㎡)

参考pH値  6.0-6.5

② 元肥を施す

耕す姿

植え付けの1週間前に堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡を施して良く耕します。

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・肥料ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方

③畝作り

土を盛り上げて幅90cm、高さ10cm、条間は20cmで畝を作ります。

カラシナに適した土づくり(プランターの場合)

①栽培用プランター

深さ15cm以上のプランターで栽培をします。
小〜大サイズのどのプランターでも育てられますので、場所や収穫量に合わせて用意します。

600VG アイリスオーヤマ ベジタブルプランター浅型 IRIS

②プランター栽培用の土

市販の元肥・pH調整済みの野菜用培養土を使用すると楽に栽培ができます。ホームセンターなどで十分な量の土を購入しましょう。

アイリスオーヤマ 花・野菜の培養土 ゴールデン粒状培養土配合 12L
以前使用した土を再利用する場合

使用済みの土を再利用して使う場合は、土を消毒してリサイクルすることができます。
リサイクル材を使用すると便利です。

・プランターで使用した土の再利用方法については、以下の記事で詳しく説明しています。
プランターで使用済みの土を再利用するリサイクル方法

カラシナの種まき

すじまき

支柱などの棒きれを使用して畝に深さ1cm程度の浅いくぼみをつくり、まっすぐたねが重ならないように1cm間隔で種をまきます(すじまき)。
種をまいたらすじまきした溝の両端の土を指で寄せて軽く土をかけて上から軽く手で押さえて土と種を密着させたら、ハス口のジョウロでたっぷりと水をやりましょう。

・種のまき方ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
種まきの種類と方法。すじまき・点まき・ばらまき・ポットまき

・時期を少しずらしながら種をまくと、カラシナが段階的に成長して収穫を長期間に渡って楽しめます。

水やり

水やり

カラシナは基本的に乾燥に弱いため、発芽するまでの間は、水を切らさないように水やりを行います。
発芽後は、地植えの場合は降雨がなく、土の表面が乾いてきたら水やりをして管理します。

カラシナの間引き

カブの間引き

カラシナは大きく生育するまでに合計3回の間引きが必要になります。
1回目の間引きは、発芽して本葉が1〜2枚になったら行いましょう。
2回目は本葉が3〜4枚、3回目は本葉が6〜7枚になったらそれぞれ行います。
生育の良くないものや病害虫被害のあるものなどから、株の混み合った部分を間引いていきましょう。
株と株の間が5cm程度になるように間引きます。

・間引きは株を引き抜くと、隣の株も一緒に抜けてしまうことがあるので、ハサミを利用して株元から切りましょう。
・間引きしたカラシナも薬味などで美味しく食すことができます。

追肥・除草

間引きが完了した時期から、2週間に1度の間隔で収穫までに3度追肥を行います。株元に化成肥料30g/㎡(軽くひと掴み程度)を施して土寄せします。
化成肥料の代わりに、鶏糞やぼかし肥を施すのも効果があります。
また、周りの雑草もこまめに取り除いておきましょう。

収穫

カラシナの収穫

草丈の高さが30cm程度になったら収穫のタイミングです。
他の株を引き抜かないように注意しながら、株元を持って引き抜いて収穫します。
草丈が30cm以上大きくなると葉茎が堅くなりますので、サラダなど生食用にするには早めの収穫がオススメです。
気温が暖かくなり春先になると、カラシナの主枝が伸びてトウ立ち(花が咲く)することがありますが、蕾の部分や収穫が遅れたカラシナも煮物や炒め物にして美味しく食すことができます。
また、多く収穫できたときには冷凍して保存することも可能です。

・外葉から必要なだけもぎとって収穫しても長く収穫を楽しむことができます。

失敗しないカラシナの栽培・育て方のコツ

①春まきでの栽培は、気温が暖かくなり害虫被害が多くなりがちです。害虫を避けるには、害虫が比較的少ない秋まきで栽培するか、寒冷紗などで防虫対策を行いましょう。

②収穫する株が大きい程、茎の固さも辛味も増します。生食でやわらかい葉茎を食べるなら、15cm程度の大きさで早めの収穫を行いましょう。

③栽培条件として、日光がよく当たり、風通しがよく水はけのよい場所を好みます。植える場所やプランターで育てる場所に配慮をしましょう。

④沢山の元気なカラシナを収穫するには、元肥や追肥が欠かせません。元肥は多めに施して肥料がきれないように注意しましょう。

よくある病気と害虫対策

病気

・さび病(葉の表面が錆びた様に、黄色やオレンジ、黒などの斑点が広がります。)
対策:発生した株は早めに取り除き畑の外で処分しましょう。
「マンネブダイセンM水和剤」「カリグリーン」などの薬剤が効果的です。
また、アルカリ性の土壌を嫌う為、「石灰」を土壌に施すと菌の拡大を予防できます。

・軟腐病(株の地際部分が軟化して悪臭を放ちながら腐敗してしまう病気です。)
対策:高温多湿になると多く発生します。
被害株から伝染しますので、発生した株は早めに取り除き畑の外で処分しましょう。
「ヤシマストマイ液剤20」などの薬剤が効果的です。
水のやりすぎに注意して、水はけをよくしましょう。

・軟腐病(株の地際部分が軟化して悪臭を放ちながら腐敗)
対策:高温多湿になると多く発生。発生した株はすぐに畑の外で処分。
ヤシマストマイ液剤20などの薬剤を散布。
水のやりすぎに注意して、水はけをよくしましょう。

害虫対策

・アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)
対策:発見次第除去。ベニカ水和剤、ダントツ水和剤、アーリーセーフなどの殺虫剤を散布。

・ヨトウムシ(夜間に葉を食い荒らす)
対策:発見次第除去。(夜間に活動)

・コナガ(葉の中に潜り込んで葉を食害)
対策:幼虫は捕殺。パイベニカ乳剤などの薬剤を散布。寒冷紗などトンネル栽培で予防。

・野菜の病気と害虫については、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法

連作における注意

カラシナは連作障害があります。連続して同じ場所で栽培する場合、2年程あけて植えましょう。

カラシナの種類

主なカラシナの種類

カラシナカラシナは「葉からし菜」とも呼ばれていて、葉茎の辛味が特徴です。名前ほど強い辛味ではなく、サラダやお浸し、炒め物などで食すことができます。
高菜ピリッとした独特の辛味と肉厚の大きな葉が特徴で、主に暖かい九州地方などでよく栽培されています。旬は11月から3月頃ですが、一年を通して収穫が可能です。
マスタードグリーンやわらかい葉でピリッとした辛味が特徴のサンチュなどとよく見た目が似た西洋のカラシナです。

まとめ

カラシナ栽培は収穫時期が長いので、元肥を多く施して育てるのがポイントになります。適宜追肥を行って、長くカラシナの収穫を楽しみましょう。

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