ベランダや庭などでのプランター栽培を、これから家庭菜園を始める初心者の方〜中級者の方へ、サヤエンドウ、スナップエンドウ、グリーンピースの育て方の手順を、写真とイラストでわかりやすく解説します。
コンテナで育てる、サヤエンドウ、スナップエンドウ栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、上手に育てるポイント、品種、病害虫への対策などをご説明していきます。
・地植えでのサヤエンドウ、スナップエンドウの育て方については、以下の記事で詳しく説明しています。
サヤエンドウ、スナップエンドウの栽培と育て方のコツ
サヤエンドウ、スナップエンドウとは
「サヤエンドウ(エンドウ、絹さや)」は、未熟な若いマメを食べるものを言います。
熟したマメととさやを一緒に食べるものを「スナップエンドウ」、大きく育った豆だけ食べるものを「グリーンピース」と呼び、成長段階によって名称が変わります。
栽培は比較的手間もかからず、ベランダや庭のプランターでも、冬から春にかけて綺麗な花を咲かせて、とても多くの収穫を長い間楽しむことができます。
とても栄養素の高い野菜で、ビタミンC、ビタミンA、B1、食物繊維、ミネラル分などを豊富に含む緑黄色野菜です。
加熱してサラダや煮物に美味しく食べることができます。
学名 | Pisum sativum |
和名/別名 | エンドウマメ/ノラマメ/サヤエンドウ/グリーンピース |
英名 | pea |
原産地 | 地中海沿岸から中央アジア地域 |
科・属名 | マメ科 |
主な栄養価 |
カロテン/βカロテン/カリウム/ビタミンB1・2/リジン/糖質/たんぱく質など |
エンドウマメ栽培に適した環境
日当たりと水はけの良い土壌を好み、風通しの良い場所を好みます。
マメ科のなかでは寒さに強く冷涼な時期の栽培が適しています。
日陰になりやすい・湿度が高すぎる場所や、エアコンの室外機が直接当たる様な場所での栽培は控えましょう。
生育適温 | 15℃〜20℃前後 |
種まき〜収穫までの期間 | 170〜190日程度 |
プランターでのエンドウマメの栽培カレンダー
サヤエンドウ、スナップエンドウ、グリーンピースの種まきから収穫までの栽培時期・栽培スケジュールは以下のようになります。
エンドウマメ栽培で準備するもの
①エンドウマメの種もしくは苗
②栽培用プランター
30cm幅、深さ20cm以上のプランターで2つの苗の栽培が可能です。
※幅の大きいプランターではさらに多くの栽培が可能になります。
小〜中サイズ以上のプランターを用意します。
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④プランター栽培用の土
土を購入する場合
市販の元肥・pH調整済みの野菜用培養土を使用すると楽に栽培ができます。ホームセンターなどで十分な量の土を購入しましょう。プランターには7割程度の深さまで土を入れるようにします。
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ゴールデン粒状培養土を配合した園芸・家庭菜園に最適な培養土です。ゴールデン粒状培養土配合なので、保肥力・保水性・排水性のバランスが良い理想的な土です。
土を再利用する場合
使用済みの土を再利用して使う場合は、土を消毒してリサイクルすることができます。
リサイクル材を使用すると便利です。
・プランターで使用した土の再利用方法については、以下の記事で詳しく説明しています。
プランターで使用済みの土を再利用するリサイクル方法
⑤化成肥料
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⑤支柱
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・家庭菜園で使用する道具ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園で使用する道具と使い方
エンドウマメのプランター栽培/育て方
種まきからはじめる場合
①種まき
鉢や瓶の底などを利用して、直径10cm程度の種まき用のくぼみをつくり、株間15cmで種を撒いてゆきます。
1つのくぼみに3粒ほど等間隔で種をまいたら、溝の両端の土を指で寄せて土をかけて、上から軽く手で押さえて土と種を密着させて、ハス口のジョウロでたっぷりと水をやりましょう。目安はプランターの底面から水が出るくらいです。
・種まき前日にタネを1日水に浸しておくことで発芽が良くなります。
・エンドウマメは、生育初期段階で寒さにあてないと花が咲かず、実が付かないので、種まき時期がポイントになります。栽培する地域での種まき時期を確認しましょう。
・種となる豆を、発芽する前に鳥に食べられてしまうことが多いので、発芽まではプランターに網や寒冷紗などをかけて防ぎましょう。
・種まきついては、以下の記事で詳しく説明しています。
種まきの種類と方法。すじまき・点まき・ばらまき・ポットまき
②間引き
間引きは本葉が2〜3枚になったら行いましょう。
生育の良くないものや病害虫被害のあるものなどを選び1本間引きましょう。
苗を購入する場合
①苗選び
ホームセンターなどで苗を購入します。
茎が太く節の間が程よく詰まっていて、葉が濃い緑色でツヤのある元気な苗を選びましょう。節間が長いものや、茎が細くがっちりしていないものは避けましょう。
・苗の育て方と選び方については、以下の記事で詳しく説明しています。
野菜の苗・種の育て方と選び方(接ぎ木/ポット苗)
②植え付け(定植)
高さが10cm程度になったら株間20cm程度でプランターに植えていきましょう。
苗の根鉢の土を崩さないように、培養土を入れたプランターに株間20cm程度で苗を植えます。
苗の根鉢と水平になる程度にプランターに植えたら、植え付けた後は苗がぐらつかないように、根元の土を少し手で押さえて固めます。
植え付け後は、たっぷりとプランターの底から水が流れ出るくらい水やりを行いましょう。
・苗の植え付けについては、以下の記事で詳しく説明しています。
野菜の苗木の植え付け方法(定植)
水やり
エンドウマメは多湿に弱い為、あまり頻繁に水をあげすぎないように注意します。土が乾燥している時に1日1回程度あげるようにします。
支柱立て
春先につるが伸び始めたら支柱を立てる準備をしましょう。長さ1〜2mほどの支柱を、プランターの四隅と中央に合計6本立てて、支柱同士をビニールヒモや麻ヒモなどで結んで連結します。
成長に合わせてプランターの中部、上部にも支柱同士をヒモで連結して、
茎を軽くひもで誘引します。
つるが支柱に絡まない時は、つるもひもで固定して誘引します。
暖かくなると成長が早くなりますので、早めに準備しましょう。
・黄色いヒモやネットは、アブラムシを呼び寄せてしまうので使用を避けましょう。
追肥/増し土
①追肥
植え付けから2〜3週間経過したあたりで追肥を行います。
化成肥料30g/㎡(一握り程度)を株の周囲に施します。
※葉に直接化成肥料がかからないように注意しましょう。
その後は、葉の色が薄いと感じたら1度追肥してください。
②増し土
追肥後はプランターの用土の表面が下がっていて、根が見えてしまっていたら土を足し入れます。プランターの土が1〜2cm程度増えるように土を入れましょう。
収穫
花が咲いた後に実が膨らみ始めたら収穫のタイミングです。
さやの柄の部分をハサミ切って収穫します。
失敗しないエンドウマメの栽培・育て方のコツ
①エンドウマメは種まきの時期が非常に重要です。早すぎると茎が冬の寒さで凍ってしまい、遅すぎると寒さに耐えられる大きさにならずに生育が悪くなります。きちんと適期を守り寒さにあてて花を沢山咲かせましょう。
②エンドウマメの葉は、ハモグリバエの食害を受けやすいです。頻繁に葉を観察して対処しましょう。
③つるなしとつるありの種類があります。つるあり種の方が長い間収穫が楽しむことができます。
エンドウマメの育て方でよくあるトラブル・質問
葉が多く茂ってマメの実のつきがわるい
肥料分が過剰になっている可能性があります。マメ類は根粒菌から養分を取りながら成長する為、肥料が少ないやせた土でも栽培が可能です。その為、特に窒素分を多く施しすぎてしまうとつるぼけを起こして実つきが悪くなる原因となります。
早めに苗が枯れてしまった
エンドウマメは種まきを早く行いすぎて、まだ寒いうちに苗が大きく育ってしまうと、寒さに耐えられず枯れてしまう原因になります。種まきや植え付けの時期をきちんと守って育てることが大切になります。
エンドウマメの葉や蔓も食べられるのですか?
エンドウマメの新芽は、炒めたり茹でたりして豆苗として食べることができます。
ただし、大株になると蔓が固くなり美味しく食べられなくなりますので、芽が成長を始める5月頃に若い脇芽を摘んで食べるようにします。
ただし、摘みすぎると肝心のエンドウマメの収穫量が落ちますので注意しましょう。
よくある病気と害虫対策
病気
①モザイク病が発生します。(葉がモザイク模様になる)
アブラムシなど、ウイルスを媒介する虫がいた場合には、早めに対処しましょう。
②立ち枯れ病が発生します。(茎が腐り倒れる)
連作を避けて栽培しましょう。
害虫対策
ハモグリバエと春先のアブラムシに注意する必要があります。
ハモグリバエは、幼虫が葉に潜り食害します。葉に白い線ができていたら葉ごと切って処分しましょう。
アブラムシは、葉の裏側について植物の汁を吸います。手や筆などで払いおとしましょう。
・ハモグリバエの予防と対策については、以下の記事で詳しく説明しています。
ハモグリバエ類の症状/予防/対策方法
・病害虫の対策と予防ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法
連作における注意
エンドウマメは連作障害が出やすいです。(畑での栽培時は4〜5年同じ場所での栽培ができません)
同じ土での栽培は控えましょう。
使用済みの土をフルイにかけて古い根などを取り除き、天日干しして殺菌した後、リサイクル材を混ぜて土を休ませて再利用することができます。
さまざまなエンドウマメの種類
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まとめ
プランターでのエンドウマメの栽培は、葉ばかりが生い茂ってしまう為、肥料と窒素を控えることと、栽培エリアでの豆まきなどの栽培適期を守ることがポイントです。
沢山の花を咲かせて、プランターでエンドウマメの栽培を楽しみましょう。
MAKI
埼玉県南中部に自らの畑を持ち休日に農業を行う。農薬を一切使用しない無農薬栽培歴は今年で8年。年間20〜30品目の野菜を栽培。