おかひじきの栽培と育て方手順|地植え・プランター

おかひじき収穫の様子野菜の育て方
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家庭菜園をこれから始める初心者の方〜中級者の方へ、おかひじきの育て方の手順を、写真とイラストでわかりやすく解説します。
おかひじき栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、品種、病害虫への対策、美味しく育てるポイントなどをご説明していきます。

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おかひじきとは

おかひじきは主に東北地方の沿岸部などで、古くから海岸の砂地などに自生してきた多肉質の葉をもつ野菜で、その葉の形が海藻の「ひじき」に似ていることから、丘で育つひじきとして名付けられ他のが由来です。種まきから収穫までの期間が1ヶ月程度で栽培期間が短く、虫などの害虫もつかないので、地植え・プランターのどちらでも、初心者の方でも比較的簡単に栽培することができます。

ビタミン、ミネラル、カリウムなどの栄養素を豊富に含み、茹でておひたしや和え物など、シャキシャキと食感が楽しめる野菜です。

学名Salsola komarovii Iljin
和名/別名おかひじき、ミルナ(水松菜)
英名Salt-wort
原産地ヨーロッパ、アフリカ北部、地中海沿岸
科・属名アカザ科
主な栄養価カリウム/ナトリウム/マグネシウム/カルシウム/鉄/リン/βカロテン/ビタミンE・K・C・Aなど
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栽培の特徴と適した環境

おかひじきは、種まきから収穫まで30日程度で期間も短く、畑はもちろん庭先のプランターでも育てることが可能です。
種まきの時期としては、4〜6月(栽培エリアの気温差によって多少時期が異なる)で、成育適温が〜25度と耐暑性の高い野菜ではありますが、真夏の暑い時期には発芽率が低下します。
風通しや日当たりが良い場所を選んで育てましょう。

発芽地温15℃〜20℃前後
生育適温20℃〜25℃前後
種まき〜発芽までの期間7日程度 
種まき〜収穫までの期間30日程度  
連作障害有り(1年程度)
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栽培で用意するもの

・畑などで直まきの場合

1.おかひじきの種
2.苦土石灰(100円ショップでも購入可能)
3.堆肥
4.化成肥料

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・プランターの場合

1.おかひじきの種
2.プランター
3.野菜用培養土
4.液肥

・家庭菜園で使用する道具ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園で使用する道具と使い方

栽培時期カレンダー

おかひじきの種まきから収穫までの栽培時期・栽培スケジュールは以下のようになります。
※品種によって若干異なる場合がありますので、詳しくは購入される種のパッケージ表記をご確認下さい。

おかひじきの栽培スケジュール

栽培/育て方の手順

適した土づくり(地植えの場合)

①酸度調整

苦土石灰をまいている

おかひじきはほうれん草などと同様に酸性の土を嫌います。
植え付けの2週間前に苦土石灰を多めにまいて土の酸度を調整し、よく耕しておきます。(目安:150g※3つかみ程度/㎡)

参考pH値  7.0-8.0

② 元肥を施す

耕す姿

植え付けの1週間前に堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡を施して良く耕します。

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・肥料ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方

③畝作り

土を盛り上げて幅60cm、高さ10cm、条間は20cmで畝を作ります。

・元々海岸の砂地などで自生している野菜の為、水はけの良い砂性の土壌を好む性質があります。

適した土づくり(プランターの場合)

①栽培用プランター

幅60cm深さ15cm以上のプランターで栽培をします。
標準サイズのプランターで育てられますので、場所や収穫量に合わせて用意します。
おかひじきは地中に深く根を張らない為、深さのあるプランターでなくて問題ありません。

600VG アイリスオーヤマ ベジタブルプランター浅型 IRIS

②プランター栽培用の土

市販の元肥・pH調整済みの野菜用培養土を使用すると楽に栽培ができます。ホームセンターなどで十分な量の土を購入しましょう。

ハナヤサイバイヨウド14L アイリスオーヤマ 花・野菜の培養土 (14L)

ゴールデン粒状培養土を配合した園芸・家庭菜園に最適な培養土です。ゴールデン粒状培養土配合なので、保肥力・保水性・排水性のバランスが良い理想的な土です。  

③以前使用した土を再利用する場合

他の野菜を育てた使用済みの土などを再利用して使う場合は、土を消毒してリサイクルすることができます。
リサイクル材を使用すると便利です。

・プランターで使用した土の再利用方法については、以下の記事で詳しく説明しています。
プランターで使用済みの土を再利用するリサイクル方法

種まき

すじまき

おかひじきの種は必ず購入後、1年目で使い切ってしまうようにしましょう。2年目以降は発芽しなくなります。

支柱などの棒きれを使用して畝に深さ1cm程度の浅いくぼみをつくり、まっすぐたねが重ならないように種をすじまきします。
2列で育てる場合には、葉が横に広がり混み合うので広めに条間を20〜25cm程度開けましょう。
種をまいたらすじまきした溝の両端の土を指で寄せて軽く土をかけて上から軽く手で押さえて土と種を密着させたら、ハス口のジョウロでたっぷりと水をやりましょう。

種まきの時期は遅れるととう立ち(開花)しやすくなりますので、種袋に記載されている時期に従って植えるようにしましょう。

・種のまき方ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
種まきの種類と方法。すじまき・点まき・ばらまき・ポットまき

・おかひじきの種は種まきする前に数日水に浸して冷蔵庫に入れておきます。
発芽を綺麗に揃えたい場合は、水に濡らしたキッチンペーパーやティッシュに種を並べて挟んで数日様子を見ながら置いて、芽が出たタイミングで種まきを行うと良いでしょう。

水やり

水やり

種を撒いてから発芽するまでの約1週間は、水を切らさないように土が乾いたら毎日水やりを行います。
発芽後は、土の表面が乾いてきたら水やりをして管理を行います。
特に収穫時に水を切らすと葉質を硬くしてしまう原因となりますので注意します。

間引き

・1回目の間引き

発芽して本葉が1〜2枚になったら、生育の良くないものや病害虫被害のあるものなどから、株の混み合った部分をハサミを使用して間引いていきましょう。目安としては、株間が3〜5cm程度空くように間引きます。
間引き時は、少し株元に土寄せをしておきましょう。

・2回目の間引き

本葉が3〜5枚になったら2回目の間引きを行います。発育の悪い株を引き抜いて、株間が10cm程度空くように間引きます。
間引き時は、少し株元に土寄せをしておきましょう。

・間引きは株を引き抜くと、隣の株も一緒に抜けてしまうことがある場合は、ハサミを利用して株元から切りましょう。
・間引きしたおかひじきはサラダとして美味しく食すことができます。
・おかひじきは間引きが遅れると葉が横に茂り風通しが悪くなることで成育に悪い影響が出ますので、必ず適期をみて行いましょう。

追肥・除草

2度目の間引きが完了した時に1度追肥を行います。
株元に化成肥料30g/㎡(軽くひと掴み程度)を施して土寄せします。
化成肥料の代わりに、鶏糞やぼかし肥を施すのも効果があります。

プランターなどで液肥の場合は、液肥のパッケージ表記をよく読んで施し、2週間の間隔をもう1度追肥を行います。
周りの雑草もこまめに取り除いておきましょう。

・おかひじきは肥料を切らしてしまうと葉質が硬くなります。肥料を切らさないように、追肥を忘れずに行いましょう。

収穫

種まきを行ってから約1ヶ月後、草丈が〜15cm程度になったら収穫のタイミングです。
全ての株を収穫したい場合は、そのまま引き抜いてしまっても構いませんが、葉先を10cm程度摘み取って収穫していくと、わき芽が伸びて長く収穫を楽しむことができます。

失敗しない栽培・育て方のコツ

①おかひじきは弱アルカリ性の土壌を好む為、苦土石灰を多めに施して酸度調整をきちんと行いましょう。

②発芽を揃えるには、種まきの数日前から種を水に浸して冷蔵庫に入れて発芽率を上げましょう。

③水や肥料を切らすと葉質が硬くなり、せっかくのシャキシャキとした食感がなくなり美味しくなくなりますので注意しましょう。

よくある病気と害虫対策

病気

・立ち枯れ病(茎が腐り倒れる)
対策:連作を避けて栽培する。水はけが悪い場所の場合は、畝の高さを少し高めにする。
また、病害にあった株は早々に除去しましょう。

害虫対策

・アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)
対策:発見次第手や筆などで払いおとし除去。アディオン乳剤、オレート液剤を使用した駆除。

・病害虫の対策と予防ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法

連作における注意

おかひじきは連作障害があります。連続して同じ場所で栽培する場合、1年程あけて植えましょう。

主なおかひじきの種類


1番目にする機会の多いベーシックな品種のおかひじきです。

まとめ

おかひじきはの育て方として、よく酸度調整を行い、水と肥料を切らさずに間引きしながら栽培することがポイントになります。害虫もつかず短期で収穫が可能なおかひじきは、初心者の方にも最適です。手軽におかひじきの栽培を楽しみましょう。

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