ベランダや庭などで育てる、ゴボウのプランター栽培の手順と育て方のポイントを、これから家庭菜園を始める初心者の方〜中級者の方へ、写真とイラストでわかりやすく解説します。
コンテナで育てるゴボウ栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、上手に育てるポイント、品種、病害虫への対策などをご説明していきます。
・地植えでのゴボウの育て方については、以下の記事で詳しく説明しています。
ゴボウの栽培と育て方のコツ
プランターでのゴボウ栽培の特徴
ゴボウはユーラシア大陸が原産で、古く中国から薬用として伝えられたとされています。
その為、ゴボウは食物繊維が豊富で、便秘の解消、大腸癌予防、血糖値低下などの作用があります。また、アルギニンやたんぱく質、カリウムなどの栄養素も豊富に含む野菜です。
栽培には排水の良い肥えた土壌を好み、生育適温が20〜25℃になり、暑さには強いですが、霜にあたると枯れてしまいます。
通常、ゴボウは根が長くプランターでの栽培は、栽培期間も長くかかり難しいですが、サラダゴボウと呼ばれる品種であれば、根も栽培期間も短い為、ベランダや庭でプランターを使用した栽培を、比較的簡単に楽しむことができます。
プランターでのゴボウの育て方の手順や、栽培のポイントをご説明します。
プランターでのゴボウの栽培カレンダー
ゴボウの植え付けから収穫までの栽培時期・栽培スケジュールは以下のようになります。
※春…春まき/秋…秋まき
ゴボウ栽培に適した環境
日当たり・水はけが良く肥えた土壌を好みます。
暑さには強いですが、霜にあたると枯れてしまいますので春まきが一般的にです。
エアコンの室外機が直接当たる様な場所での栽培は控えましょう。
生育適温 | 20〜25℃前後 |
種まき〜収穫までの期間 | 120〜150日程度 |
ゴボウ栽培で用意するもの
①ゴボウの種
②栽培用プランター
ゴボウは1つの鉢で1つの株を育てます。
30cm以上の丸型プランター(10号以上)で栽培をします。
大サイズ以上の深めのプランターを用意します。
③プランター栽培用の土
土を購入する場合
市販の元肥・pH調整済みの野菜用培養土を使用すると楽に栽培ができます。ホームセンターなどで十分な量の土を購入しましょう。
土を再利用する場合
使用済みの土を再利用して使う場合は、土を消毒してリサイクルすることができます。
リサイクル材を使用すると便利です。
・プランターで使用した土の再利用方法については、以下の記事で詳しく説明しています。
プランターで使用済みの土を再利用するリサイクル方法
④液肥
・家庭菜園で使用する道具ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園で使用する道具と使い方
ゴボウのプランター栽培/育て方
種まき
ゴボウは育苗をして植付ける移植を嫌うので、プランターへ直接種をまきます。
深さが30cm以上(10号)あるプランターを用意して培養土を入れて、中央にビンや蓋の底などを利用して土にくぼみを付けて、直径5〜10cm、深さ1.5cm程度の種をまく穴を作ります。
種同士が重ならない様に、種を5粒まいたら、まわりの土を軽くかぶせて、手のひらで土を上から抑えて、土と種を密着させ水をたっぷりやります。
ゴボウの種は種まきを行う前日に、一晩水につける必要はありません。
・種まきついては、以下の記事で詳しく説明しています。
種まきの種類と方法。すじまき・点まき・ばらまき・ポットまき
間引き
発芽して、本葉が出てきたら1回目の間引きを行います。
抜き取る株の根元を押さえながら、育ちの良くない株を5本から3本へと間引きます。
本葉が3枚になる頃に2回目の間引きを行います。
1鉢1本へと元気の良い苗を残して間引きます。残す生育の良い株を傷つけない様に、ハサミで根元から切って間引くのをお勧めします。
隣の苗まで抜いてしまう心配がある時は、不要な苗をハサミで根元から切って間引きします。
水やり

写真はミニトマトへの水やり
ゴボウは発芽までの1〜2週間は、土が乾いてしなうことがないように水やりを行います。
発芽後は、土の表面が乾いた時のみ、水やりを適宜行うようにしましょう。
追肥(液肥)
2回目の間引きをしたら、液肥を使用して追肥を行います。
濃度や与える頻度については、パッケージ表記に従って施します。
※ゴボウは2週間に1度のペースで追肥します。
収穫
株の背の高さが25〜30cm、葉が5枚程度に成長してきたら収穫時です。
鉢の横を手で叩いて土をほぐし、株元をもってまっすぐ引き上げます。
途中で折れてしまわない様に、株の周囲の土を堀ながら抜くと綺麗に収穫ができます。
収穫が遅れるとすが入るので、品種や栽培地毎の収穫期を見ながら、適期に収穫を行いましょう。
失敗しないゴボウの栽培・育て方のコツ
①ミニゴボウ品種は、発芽しにくい為、覆土は薄く行うようにしましょう。
②ゴボウはアブラムシがつきやすいので、葉の裏側をこまめに見て、黒色のアブラムシを見たら駆除するようにしましょう。
③発芽からの栽培初期は、特に成長が遅いので気長に育てましょう。
よくある病気と害虫対策
病気
・うどんこ病(葉の表面がうどん粉がふりかかったように白く変色)
対策:トリホリン乳剤や、キノキサリン水和剤などを散布。食酢を薄めたものを散布しても効果あり。
・黒斑病(下葉に褐色の病斑が発生)
対策:連作を避ける。GFベンレート水和剤などを散布。
害虫対策
・アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)
対策:発見次第除去。※ゴボウのアブラムシは黒色。
・ネキリムシ(夜間に地面部分を食い荒らす)
対策:食害を受けた株の地面を掘って発見次第除去。(夜間に活動)
・野菜の病気と害虫については、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法
連作における注意
ゴボウは連作障害が出ます。(畑での栽培時は4〜5年同じ場所での栽培ができません)
プランターで使用済みの土を使用する場合は、土をフルイにかけて古い根などを取り除き、リサイクル材を混ぜて土に活力を与えましょう。
さまざまなゴボウの種類
ゴボウの種類は、通常品種、早く収穫ができる早生品種、サイズの小さいミニ品種などがあります。
まとめ
プランターでのゴボウの栽培は、直接栽培するプランターに種をまいて、適期に追肥を行って育てることが育て方の大きなポイントになります。
アブラムシの被害を予防して、ゴボウの収穫を楽しみましょう。

MAKI
埼玉県南中部に自らの畑を持ち休日に農業を行う。農薬を一切使用しない無農薬栽培歴は今年で8年。年間20〜30品目の野菜を栽培。