家庭菜園をこれから始める初心者の方〜中級者の方へ、大玉・中玉トマトの育て方の手順を、写真とイラストでわかりやすく解説します。
トマト栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、上手に育てるポイント、トマトの品種、病害虫への対策などをご説明していきます。

トマト栽培の特徴

トマトは、原産地である南米ペルーやエクアドルの気候を反映して、乾燥に強く直射日光と寒暖差の激しい気候を好みます。
真っ赤に完熟したトマトには、がん予防にもなるβカロチン、老化防止に効果的なリコピン、高血圧予防に効果のあるルチンなどの栄養素を多く含み、サラダやパスタなど様々な料理で美味しく食べることができます。
また、多くの品種があり栽培や収穫の楽しみも広がります。

・ミニトマトの育て方については、以下の記事で詳しく説明しています。
ミニトマトの栽培と育て方のコツ。畑・プランター

トマトの栽培カレンダー

中玉・大玉トマトの栽培カレンダー

トマト栽培に適した環境

トマトの実り
直射日光が強く当たる場所、昼夜での温度差が激しい、乾燥した条件、日当たり、水はけが良く風通しの良い場所を好みます。

生育適温 25℃前後
種まき〜収穫  70〜80日

トマトの栽培/育て方

トマトの苗選び

①苗の購入

トマトの苗

ホームセンターなどで苗を購入します。
茎が太く節の間が程よく詰まっていて、花が大きく蕾があり、葉が濃い緑色でツヤのある元気な苗を選びましょう。節間が長いものや、茎が細くがっちりしていないものは避けましょう。

②苗の鉢替え

市販の苗は通常、9cmポットで売られていますので、購入した後に12〜15cmポットに植え替えて花が咲くのを待ちます。

小さいポットのまま開花を待つと、徒長(必要以上に茎などが間延びすること)してしまいます。

・苗と種の選び方については、以下の記事で詳しく説明しています。
野菜の苗・種の育て方と選び方(接ぎ木/ポット苗)

トマトに適した土づくり

トマトの根は、深さが約1m、幅も2m程度に広がるので、深く耕して水はけをよくすることがポイントになります。

①酸度調整

苦土石灰をまいている

トマトは酸性土を嫌うので、植え付けの2週間前に苦土石灰を多めにまいて耕しておきます。(目安:150g※4つかみ程度/㎡)

参考pH値  6.0-6.5

② 元肥を施す

種まき1週間前に堆肥4kg/㎡、化成肥料100g/㎡、ヨウリン30g/㎡を施して良く耕します。

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・肥料ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方

③畝作り

土を盛り上げて幅120cm、高さ20cmほどの畝を作り表面を平にならしておきます。

トマトの畝作り・植え付け

①畝づくり・マルチング

マルチング

幅120cm、高さ20cm程度の高めの畝を作り、マルチングをします。

②支柱立て

植え付け後すぐに誘引ができるように支柱を立てます。
支柱は合掌式か直立式、もしくはホームセンターなどでアーチ状の支柱が販売されています。

合掌型

合掌型

アーチ型支柱

アーチ型支柱

ビニールなどで雨よけを用意しましょう。雨でトマトが割れてしまうことが少なくなります。

③植え付け

寝かせてトマトの苗を植える様子

晩霜がなくなる時期に、第1花房の花が開花する苗を株間50cm、条間60cmの2列で植え付けます。
マルチに植え穴を作り水をやり、水が引いたら、苗は寝かせて植え付けるようにしましょう。
植え付け後は水を与え、植え付け後1週間以降は水やりをできるだけ制限します。

・トマトは花のある側に実が着きますので、花房を外側に向けて植え付けましょう。内側に向くと日当たりが悪くなり収穫低下の原因になります。

・トマトは寝かせて植えることで、茎から根を生やして水や肥料を吸い込む力を高めて収穫を増やすことができます。
※土に埋まる部分の茎から生えている葉は摘んでおきましょう。また、接木苗は寝かせて植えることができませんので、直立に植えます。

トマトの水やり

地植えのトマトは基本的にあまり水やりの必要はありません。
地面がカラカラに乾いている時、追肥する時などに様子を見ながら、できる限り制限して水やりを行いましょう。

誘引・受粉

①支柱への誘引

トマトの苗の誘引

トマトの茎が伸びてきたら、支柱に誘引して成長させます。
麻紐、ビニール紐などを利用して、茎と支柱にを8の字に紐をかけて縛ります。
あまりきつくなりすぎないように注意します。

②受粉

トマトの受粉

トマトは花同士が受粉することで着果します。
人が人工的に受粉作業をしなくても自然に風などの力で受精されますが、受粉確率を上げる為に、花を軽く揺らして受粉を助けます。

トマトは第一花房を受粉させて、栄養を果実に送り込むことが大切になります。第一花房が着果しないと「つるぼけ(茎や葉ばかり伸びて花・実付きが悪化すること)」の原因になります。
また、確実な受粉のために、トマトトーン(ホルモン剤)を100倍にして、開花した花に散布するのも効果的です。

・同じ花や若い蕾に散布をしてしまうと実の変形の原因になりますので注意しましょう。

わき芽かき

わき芽かき

茎や葉が成長してくると、葉のつけ根からわき芽が出てきます。
わき芽は生い茂って日当たりを悪くしてしまうので、本葉と間違えないようにして小さなうちにすべて摘み取ります。

・わき芽は、ハサミを使わずに手で行いましょう。また、晴れている午前中などに行うことで傷口からの病害を予防することができます。

追肥

第1花房と第3花房のトマトが、ピンポン球程度の大きさになった頃から追肥を行います。マルチをめくって畝の肩に化成肥料50g/㎡(ひとにぎり程度)を施して軽く土寄せをします。

・トマトの栄養状態について
健康なトマトの栄養状態は、茎が1cm程度、葉が軽く下側に向いています。茎が太く葉が内側に巻いていたり、葉の間隔が詰まっていると窒素過多の状態(栄養が多すぎ)です。
また、茎が1cmに満たず、葉が上を向いて色も淡く、葉の間隔が空きすぎている場合は、栄養不足状態なので、追肥を行いましょう。

下葉かき・摘果

ある程度トマトが生育したら、第1果房から下の葉を取り除きます。
下葉を取り除くことで、株元の通気性が上がり、害虫や病気の予防につながります。
第1果房に着果したら、元気な実を4つ残して、他の果をハサミで切り取ります。
その他の果房は4〜5つ残して同様にハサミで切り取っていきます。
※摘果は中玉・大玉に限り必要です。

トマトの収穫

トマトの収穫

トマトがへたの付近まで赤く色づいたら収穫のタイミングです。
へたの際をハサミで切って収穫します。

失敗しないトマト栽培・育て方のコツ

①トマトは多くの水分を必要としません。地植えでの水やりはできるだけ控えめにして育てましょう。

②トマトは第1花房に必ず受粉させて、栄養のバランスを良くすることが大切です。ホルモン処理をして確実に結果させましょう。

③わき芽は全て取り除きましょう。日当たりをよくして病害を防ぎ、トマトに日光を当てて美味しいトマトを育てましょう。

④トマトは連作障害があります。ナス科の植物を避けて栽培しましょう。

⑤ホームセンターなどで売られている苗は、ポットの状態で開花まで育ててから植え付けを行いましょう。

⑥コンパニオンプランツ(病害虫予防・成長を助ける)として、ニラ、バジルと一緒に植えると効果があります。

⑦トマトは畑でカラスなどの鳥害に遭いやすい野菜です。
特に収穫時の赤いトマトは狙われて収穫前に食べられてしまうことが多々ありますので、網を張るなどして守りましょう。

トマトのよくある病気と害虫対策

病気

モザイク病(葉がモザイク模様になる)
対策:アブラムシの除去。
疫病(茎や葉に黒褐色の斑点ができる)
対策:発症後、殺菌剤を4〜5日おきに散布
青枯れ病(葉が緑のまま萎れて枯れる)
対策:水はけのよい土に植える。畝を高めにする。
萎凋病・半身萎凋病(葉が変色して萎縮して伝染する)
対策:病害にあった株は早々に除去。連作を避ける。
灰色かび病(葉や茎の切り口に灰色のカビ)
対策:発症後、殺菌剤を4〜5日おきに散布

害虫対策

アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)
対策:発見次第除去。
オンシツコナジラミ(羽の生えた虫が群生して汁を吸う)
対策:苗購入時に発生していないか確認する。
ハモグリバエ(葉の中に幼虫が入り食害)
対策:葉の上から潰す。葉ごと処分。

・病害虫の対策と予防ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法

トマトの連作における注意

トマトは連作障害が出ます。同じ場所でのナス科の栽培は、4〜5年空けて行います。

まとめ

中玉・大玉トマトの栽培は、水分を与え過ぎず、第1花房を確実に受粉させること、わき芽かきを可能な限り行うことが非常に大きなポイントになります。
また、雨よけをきちんと行って、真っ赤で大きなトマトを収穫しましょう。

 

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