ベランダや庭での空芯菜(クウシンサイ 別名:エンサイ)のプランター栽培方法を、これから家庭菜園を始める方へ、写真とイラストでわかりやすく解説します。
空芯菜栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、上手に育てるコツ、品種、病気・害虫対策などをご説明していきます。
・地植えでの空芯菜の育て方については、以下の記事で詳しく説明しています。
空芯菜(エンサイ)の栽培・育て方手順|地植え・畑
・ペットボトルでの空芯菜の育て方については、以下の記事で詳しく説明しています。
ペットボトルで空芯菜(エンサイ)の水耕栽培と育て方のコツ
プランターでの空芯菜栽培の特徴

空芯菜は、熱帯アジアを原産地とする為、暑さに強く、比較的簡単に多くの収穫が可能な家庭菜園向きの野菜です。
しかし、寒さには弱く、気温が下がる冬の時期での栽培には適していません。
庭やベランダなどの小さなスペースでも、プランターを利用して、次々と収穫して食べることができます。
「空芯菜」「エンサイ」「ヨウサイ」「エンツァイ」「コンシンツァイ」「アサガオナ」など、様々な名称で呼ばれるこの野菜は、茎の中が空洞になっており、シャキシャキと美味しく食べることができます。
学名 | Ipomoea aquatica |
和名/別名 | クウシンサイ/空芯菜/エンサイ/ヨウサイ |
英名 | Water Morning Glory |
原産地 | 東南アジア |
科・属名 | ヒルガオ科サツマイモ属 |
主な栄養価 | βカロテン/ビタミンB1・B2・E/鉄分/葉酸/カリウム/食物繊維など |
プランターでの空芯菜の栽培カレンダー
空芯菜の種まきから収穫までの栽培時期・栽培スケジュールは以下のようになります。

空芯菜栽培に適した環境
気温が高く、日当たりが良く、湿度の高い土壌を好みます。
逆に寒さに弱く、気温が下がると成長が止まり、さらに霜にあたると枯れてしまいます。
日陰になりやすい場所や、エアコンの室外機が直接当たる様な場所での栽培は控えましょう。
生育適温 | 25℃〜30℃前後 |
種まき〜収穫までの期間 | 60〜70日程度 |
栽培難易度
★☆☆(やさしい)
①プランターの用意
②種まき
③間引き
④追肥
⑤収穫
準備する道具
45cm幅のプランターで2つの苗の栽培が可能です。
小〜中サイズのプランターを用意します。
[itemlink post_id=”2613″]
空芯菜のプランター栽培/育て方
プランターの土を準備
土を購入する場合
市販の元肥・pH調整済みの野菜用培養土を使用すると楽に栽培ができます。ホームセンターなどで十分な量の土を購入しましょう。プランターには7割程度の深さまで土を入れるようにします。
[itemlink post_id=”2584″]
ゴールデン粒状培養土を配合した園芸・家庭菜園に最適な培養土です。
ゴールデン粒状培養土配合なので、保肥力・保水性・排水性のバランスが良い理想的な土です。
土を再利用する場合
使用済みの土を再利用して使う場合は、土を消毒してリサイクルすることができます。
リサイクル材を使用すると便利です。
・プランターで使用した土の再利用方法については、以下の記事で詳しく説明しています。
プランターで使用済みの土を再利用するリサイクル方法
種まきからはじめる場合
①種まき
鉢や瓶の底などを利用して、直径10cm程度の種まき用のくぼみをつくり、株間15cmで種を撒いてゆきます。
1つのくぼみに5粒ほど等間隔で種をまいたら、溝の両端の土を指で寄せて軽く土をかけて上から軽く手で押さえて土と種を密着させて、ハス口のジョウロでたっぷりと水をやりましょう。
空芯菜は熱帯性野菜になりますので、耐寒性に弱く寒い時期の種まきは成長を鈍らせることがあります。
栽培する地域や品種にもよりますが、あまり寒い時期に重ならないように5月からの種まき時期をきちんと守って植えるようにしましょう。
種まきから発芽まで水をきらさないようにしましょう。
・種まきついては、以下の記事で詳しく説明しています。
種まきの種類と方法。すじまき・点まき・ばらまき・ポットまき
挿し芽繁殖方法
空芯菜はサツマイモの仲間で、挿し芽での繁殖栽培が可能です。食用などにスーパーなどで購入したものを植え付けて育てることができます。
時期によっては、ホームセンターなどで苗も売られていますので、もし発芽など初期の生育に心配のある場合や、失敗する確率を下げたいときは、苗から育てるようにしましょう。
②間引き
間引きは本葉が2〜3枚になったら行いましょう。
生育の良くないものや病害虫被害のあるものなどを選び間引きましょう。
1箇所につき2〜3本にします。
間引きの際に、株を抜き取ると、残したい株まで抜けてしまうことがあるので、ハサミで根元から切り取って間引きます。
水やり
空芯菜は比較的育てやすい野菜ですが、水を多く必要とします。
水不足は、茎葉の成長に影響して収穫を減らしますので、乾燥させないように水やりをします。
追肥・除草
薄めの液肥を2週間間隔で定期的に施します。利用する液肥の用途表記に従って、濃すぎないように与えます。
化成肥料を使用する場合は、株元に化成肥料30g/㎡(軽くひと掴み程度)を施します。
成長に合わせて長い期間収穫ができるので、薄めの液肥を定期的に施します。一度に濃度の濃い肥料を与えてしまうと根を痛める原因となりますので控えます。
収穫
空芯菜の草丈が20cm程度の高さになったら収穫時期です。
摘心も兼ねて、株の先端から下葉を2〜3枚程度残してハサミでカットします。
こうしてわき芽を伸ばして、長く収穫を楽しむことができます。
残した葉のつけ根から、わき芽が同じ20〜30cm程度に伸びたものから、順次収穫を行います。
空芯菜は新芽を収穫します。残した茎の付け根から脇芽が伸びて枝数が増えるので、次々と収穫ができるようになります。脇芽は葉の付け根の節から出てくるので、収穫は付け根から2〜3節残して切るようにしましょう。
失敗しない空芯菜の栽培・育て方のコツ
①空芯菜は多くの水と、湿度の高い土壌を好みます。
水を切らさないように管理しましょう。
②水やりをする際に、液肥を薄めた水を1週間に1度くらいのペースで施すと、生育がよく育ちます。
③茎・葉が混み合ってくると、生育が悪くなります。
葉が密になっている部分は、葉先から15cm程度の長さで切り取って改善しましょう。
よくある病気と害虫対策
害虫対策
・バッタ(葉を食害する)
対策:発見次第除去。
・ヨトウムシ(夜間に葉を食い荒らす)
対策:発見次第除去。(夜間に活動)
・病害虫の対策と予防ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法
連作における注意
空芯菜は連作障害が出ません。
さまざまな空芯菜の種類
[itemlink post_id=”2614″]
[itemlink post_id=”2615″]
まとめ
空芯菜のプランター栽培は、水を切らさないことと、多湿な土壌が育て方のコツになります。
プランターで簡単に育てることができるので、庭やベランダなどで手軽に栽培を楽しみましょう。

MAKI
埼玉県南中部に自らの畑を持ち休日に農業を行う。農薬を一切使用しない無農薬栽培歴は今年で8年。年間20〜30品目の野菜を栽培。