パセリ、パクチーの育て方|地植え・畑編

パセリの育て方野菜の育て方
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家庭菜園をこれから始める初心者の方〜中級者の方へ、パセリ/パクチーの育て方の手順を、写真とイラストでわかりやすく解説します。
パセリ栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、品種、病害虫への対策、美味しく育てるポイントなどをご説明していきます。

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パセリとは

学名Petroselium crispum
和名/別名オランダゼリ
英名parsley
原産地地中海沿岸
科・属名セリ科・オランダゼリ属
主な栄養価カリウム/βカロテン/ビタミンC/カルシウム/鉄/葉酸/ビタミンK
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パセリ栽培の特徴と適した環境

パセリは、独特の香りと味を持つハーブの一種で、仲間の種類には平葉種でイタリアンパセリがあります。
冷涼で日当たりの良い気候を好み、暑い夏の時期は若干生育が衰えます。
4月〜10月まで種まきを出来て、ほぼ1年を通して収穫が可能です。
種を植えてから発芽までの期間が2〜3週間と長い為、種まきを行う時期と地温に注意する必要があります。
多くの収穫が必要のない場合は、苗を購入して植付けて育てることで手軽に栽培することができます。

発芽地温15℃〜20℃前後
生育適温15℃〜20℃前後
種まき〜収穫までの期間60日程度 
連作障害1〜2年
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パセリ栽培で用意するもの

1.パセリの種
2.苦土石灰(100円ショップでも購入可能)
3.堆肥
4.化成肥料

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・家庭菜園で使用する道具ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園で使用する道具と使い方

栽培時期カレンダー

パセリの種まきから収穫までの栽培時期・栽培スケジュールは以下のようになります。

パセリの栽培スケジュール

栽培/育て方の手順

種まき

・種のまき方ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
種まきの種類と方法。すじまき・点まき・ばらまき・ポットまき

ポリポットへの種まき

直径9cm(3号)サイズのポリポットを使用して、1cm間隔程度に種をばらまいて薄く覆土します。
種まき後は、種が流れないように優しくたっぷり水やりを行いましょう。
発芽後に本葉が2〜3枚になった頃に、育ちの悪いものを間引いて5〜6本に残します。
本葉が5〜6枚になったら、さらに間引いて1本だけ残して育苗します。

・パセリは種が固いので、発芽率を上げる為に種まき前日に、種を水に1日浸しておきましょう。
・パセリの種は光好性の為、深く植えてしまうと発芽率が悪くなります。薄く覆土して浅く植えるようにしましょう。
・約10日程度で発芽します。発芽までは土が乾かないように水やりを行って管理しましょう。

・植え付けついては、以下の記事で詳しく説明しています。
野菜の苗木の植え付け方法(定植)

苗を購入する場合

苗選び

ホームセンターなどで苗を購入して育てる場合は、茎が太く節の間が程よく詰まっていて、葉が濃い緑色でツヤのある元気な苗を選びましょう。節間が長いものや、茎が細いものは避けましょう。

・苗の育て方と選び方については、以下の記事で詳しく説明しています。
野菜の苗・種の育て方と選び方(接ぎ木/ポット苗)

パセリに適した土づくり

①酸度調整

苦土石灰をまいている

植え付けの2週間前に苦土石灰をまいて土の酸度を調整し、よく耕しておきます。(目安:120g※3つかみ程度/㎡)

参考pH値 6.0-6.5

② 元肥を施す

耕す姿

植え付けの1週間前に堆肥2kg/㎡、化成肥料200g/㎡を施して良く耕します。

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・肥料ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方

③畝作り

土を盛り上げて幅40cm、高さ10cm、株間は30cm取り、1条植えで畝を作ります。

植え付け

パセリの発芽

パセリの発芽

苗の本葉が5〜6本になったら畑に植え付けを行います。

①根穴掘り

作った畝に株間20〜30cmでポリポットの鉢よりも少し大きめの根穴を掘り、穴にたっぷりと水をやります。

②定植

植え付け方法

定植イメージ

水が引いたら、根についた土を壊さないように植えていきます。
パセリは一本の根がまっすぐ地中に伸びていく直根性の野菜なので、定植の際に根が切れてしまうと育ちが悪くなります。
根が深く育つ前に、根鉢を崩さず根を切らないよう最新の注意を払い丁寧に植えましょう。

植え付けた後は苗がぐらつかないように、根元の土を少し手で押さえて固めます。
植え付け後は土が乾燥するため、乾燥しないように水やりを続けます。
苗は深く植えずに浅植えにして、後々の追肥時に土寄せをしていきます。

・苗の植え付けについては、以下の記事で詳しく説明しています。
野菜の苗木の植え付け方法(定植)

水やり

水やり

基本的に発芽するまでの間は、水を切らさないように毎日水やりを行います。
ポットでの育苗中に関しては、土が乾いたら水やりをするようにします。
定植後は、土の表面が乾いてきたら多めに水やりを行います。気温の暑い時期は、乾燥に注意して水やりを管理し、こまめに水やりができない場合は、マルチングや敷き藁などで乾燥を抑えることができます。
尚、冬の寒い期間は成長が止まりますので、あまり水やりの必要はありません。

追肥/増し土

①追肥

写真はブロッコリーの追肥

写真はブロッコリーの追肥

定植後は追肥を行います。
化成肥料30g/㎡(一握り程度)を株の肩に施して土寄せをします。
追肥は2、3週間に1度のペースで行います。
※葉に直接化成肥料がかからないように注意しましょう。

②花芽かき

7月頃には花芽が伸びてくるので、花芽を摘み取ります。
花芽を摘み取らずにそのままにしておくと、やがて花が咲き、花芽に成長のための養分をもっていかれてしまいますので、花芽は残らずに摘み取りましょう。
また、枯れていたり、変色している葉も摘んでおきます。

収穫

パセリの収穫

パセリの収穫

株が成長して、葉が15枚程度になってきたら収穫時期です。
外側の下の方の葉から必要な量を摘み取って収穫を行います。
あまり一度に収穫しすぎてしまうと、株が弱りますので必要な分を都度収穫するようにしましょう。

パセリは2年草で翌年も収穫は可能ですが、なかには途中で枯れてしまうケースもあり、良い状態の葉を収穫するために、毎年種を撒いて育てるようにします。
また、多く収穫できたときには冷凍して保存することも可能です。

収穫後の追肥管理

収穫をした後も、2、3週間に1回のペースで、株間に化成肥料を60g/㎡(1にぎり程度)追肥を行い、土と肥料を混ぜながら株元へ土寄せをすることで、長く収穫を楽しむことが可能です。

失敗しないパセリの栽培・育て方のコツ

①種まきを行う前日に1日種を水に下してから種まきを行いましょう。

②日照量に応じて、葉が濃く香りが強くなりますが、常に日が強くあたる場所での栽培は、葉が固くなる傾向があります。

③真夏の直射日光には乾燥で株が弱ることがあります。また、収穫をせずに葉を伸ばし続けると風通しが悪くなり変色する場合がありますので気をつけましょう。

④花芽に養分を持って行かれないように、残らず摘み取りましょう。

よくある病気と害虫対策

病気

・うどんこ病(葉の表面がうどん粉がふりかかったように白く変色)
対策:トリホリン乳剤や、キノキサリン水和剤などを散布。食酢を薄めたものを散布しても効果あり。

・軟腐病(株の地際部分が軟化して悪臭を放ちながら腐敗)
対策:高温多湿になると多く発生。発生した株はすぐに畑の外で処分。
ヤシマストマイ液剤20などの薬剤を散布。
水のやりすぎに注意して、水はけをよくしましょう。

害虫対策

・アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)
対策:発見次第除去。ベニカ水和剤、ダントツ水和剤、アーリーセーフなどの殺虫剤を散布。
・キアゲハ(春と秋に葉を食害)
対策:確認次第、小さいうちに捕殺。
・ナメクジ(夜に葉を食害)
対策:発見次第除去。ビールに寄ってくるのでおびき寄せる方法もあり。

・野菜の病気と害虫については、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法

連作における注意

パセリは連作障害があります。連続して同じ場所で栽培する場合、2年程あけて植えましょう。

パセリの種類

主なパセリの種類

パセリ非常に細かく葉が縮れているパセリで、日本ではこのパセリが主に栽培されています。特殊な葉の形状から、「縮葉種」「カーリーパセリ」とも呼ばれます。品種には、「中里」「瀬戸パラマウント」「USパラマウント」「グランド」などがあります。
イタリアンパセリ

通常のパセリよりも葉が縮れておらず、平べったい形をしたパセリで、フレンチパセリとも呼ばれています。日本のパセリと比べて、味や香りが穏やかで、イタリアンに使用されます。

コリアンダー

コリアンダーとは「パクチー」「中国パセリ」とも呼ばれていて、葉は平べったい形をしており独特の風味が特徴です。タイ、ベトナム料理などでよく利用されています。
葉の部分以外にも果実や根も食べられています。

まとめ

パセリ栽培のポイントは、発芽まで乾燥から守り、根鉢を崩さずに丁寧に定植して育てることです。また、花芽が出てきたら摘みとり、適宜追肥を行って、長くパセリの収穫を楽しみましょう。

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