ビーツの栽培と育て方手順|地植え・プランター

ビーツの家庭菜園 野菜の育て方
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家庭菜園をこれから始める初心者の方〜中級者の方へ、ビーツの育て方の手順を、写真とイラストでわかりやすく解説します。
ビーツ栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、品種、病害虫への対策、美味しく育てるポイントなどをご説明していきます。

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ビーツとは

ビーツとは別名でテーブルビートやビート、赤大根とも呼ばれ、鮮やかに濃赤に色づく根をカブの様に成長させて収穫します。
さまざまな種類の品種がありますが、地植え・プランターでも、どれも初心者でも比較的簡単に栽培することができます。

肥大したビーツの利用方法はロシア料理のボルシチが有名ですが、栄養価も非常に高く柔らかく甘みがあり、サラダなどの生食や茹でてもとても美味しく食べることができます。
また、間引いた幼葉はベビーリーフとして利用することも可能です。

学名 Beta vulgaris var. esculenta
和名/別名 ビーツ、テーブルビート、火焔菜(カエンサイ)
英名 beet、table beet
原産地 ヨーロッパ、アフリカ北部、地中海沿岸
科・属名 アカザ科フダンソウ属
主な栄養価 カリウム/マグネシウム/鉄/亜鉛/銅/ビタミンB1/ビタミンB2/ナイアシン/ビタミンB6/葉酸/ビタミンC
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栽培の特徴と適した環境

ビーツは、春まきと夏まきで年に2回栽培を行うことができます。種まきから収穫まで60〜80日程度で期間も短く、畑はもちろん庭先のプランターでも育てることが可能です。
比較的冷涼な気候を好み、気温が上昇する時期の耐暑性は低く乾燥にも弱い為、夏まきで育てる際は、水を切らさないように注意して、植え付けは9月始め頃に行います。
初心者の方には、気温が低い春まきでの栽培がおすすめです。風通しや日当たりが良い場所を選んで育てましょう。

発芽地温 15℃〜20℃前後
生育適温 15℃〜20℃前後
種まき〜発芽までの期間 10〜14日程度 
種まき〜収穫までの期間 60〜70日程度  
連作障害 有り(2年程度)
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栽培で用意するもの

・畑などで直まきの場合

1.ビーツの種
2.苦土石灰(100円ショップでも購入可能)
3.堆肥
4.化成肥料

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・プランターの場合

1.ビーツの種
2.プランター
3.野菜用培養土
4.液肥
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・家庭菜園で使用する道具ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園で使用する道具と使い方

栽培時期カレンダー

ビーツの種まきから収穫までの栽培時期・栽培スケジュールは以下のようになります。
※品種によって若干異なる場合がありますので、詳しくは購入される種のパッケージ表記をご確認下さい。

ビーツの栽培スケジュール

栽培/育て方の手順

適した土づくり(地植えの場合)

①酸度調整

苦土石灰をまいている

ビーツはほうれん草などと同様に酸性の土を嫌います。
植え付けの2週間前に苦土石灰を多めにまいて土の酸度を調整し、よく耕しておきます。(目安:150g※3つかみ程度/㎡)

参考pH値   6.0-7.0

② 元肥を施す

耕す姿

植え付けの1週間前に堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡を施して良く耕します。

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・肥料ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方

③畝作り

土を盛り上げて幅60cm、高さ10cm、条間は20cmで畝を作ります。

適した土づくり(プランターの場合)

①栽培用プランター

幅60cm深さ15cm以上のプランターで栽培をします。
標準サイズのプランターで育てられますので、場所や収穫量に合わせて用意します。
ビーツは地中にそれほど深く根を張らない為、深さのあるプランターでなくても構いません。

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②プランター栽培用の土

市販の元肥・pH調整済みの野菜用培養土を使用すると楽に栽培ができます。ホームセンターなどで十分な量の土を購入しましょう。

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ゴールデン粒状培養土を配合した園芸・家庭菜園に最適な培養土です。ゴールデン粒状培養土配合なので、保肥力・保水性・排水性のバランスが良い理想的な土です。  

③以前使用した土を再利用する場合

他の野菜を育てた使用済みの土などを再利用して使う場合は、土を消毒してリサイクルすることができます。
リサイクル材を使用すると便利です。

・プランターで使用した土の再利用方法については、以下の記事で詳しく説明しています。
プランターで使用済みの土を再利用するリサイクル方法

種まき

すじまき

ビーツの種は種球と呼ばれる、複数の種子がくっついてできているものになります。1粒で芽が種子の数だけ複数発芽しますので、間隔を空けてすじまきを行います。

支柱などの棒きれを使用して畝に深さ1cm程度の浅いくぼみをつくり、まっすぐたねが重ならないように2〜3cm間隔で種をすじまきします。
2列で育てる場合には、条間を10〜15cm程度開けましょう。
種をまいたらすじまきした溝の両端の土を指で寄せて軽く土をかけて上から軽く手で押さえて土と種を密着させたら、ハス口のジョウロでたっぷりと水をやりましょう。

・種のまき方ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
種まきの種類と方法。すじまき・点まき・ばらまき・ポットまき

・ビーツは種の殻が硬い為、種まきする前日に一晩水に浸しておきます。
発芽を綺麗に揃えたい場合は、水に濡らしたキッチンペーパーやティッシュに種を並べて挟んで数日様子を見ながら置いて、芽が出たタイミングで種まきを行うと良いでしょう。

水やり

水やり

種を撒いてから発芽するまでの約2週間は、水を切らさないように土が乾いたら毎日水やりを行います。
発芽後は、土の表面が乾いてきたら水やりをして管理を行います。

間引き

・1回目の間引き

発芽して本葉が1〜2枚になったら、生育の良くないものや病害虫被害のあるものなどから、株の混み合った部分をハサミを使用して間引いていきましょう。1つの株から複数の芽が発芽しますので、1回目の間引きでは1つの株あたり2本残して間引きます。

・2回目の間引き

本葉が3〜5枚になったら2回目の間引きを行います。発育の悪い株をハサミでカットして1本立ちにします。

・間引きは株を引き抜くと、隣の株も一緒に抜けてしまうことがあるので、ハサミを利用して株元から切りましょう。
・間引きしたビーツはサラダとして美味しく食すことができます。
・ビーツは間引きが遅れると成育に悪い影響が出ますので、必ず適期をみて行いましょう。

追肥・除草

2度目の間引きが完了した時に1度目の追肥を行います。
株元に化成肥料30g/㎡(軽くひと掴み程度)を施して土寄せします。
化成肥料の代わりに、鶏糞やぼかし肥を施すのも効果があります。
追肥は、2週間に1度の間隔で収穫までに追肥を行います。
また、周りの雑草もこまめに取り除いておきましょう。

・ビーツは多肥性の野菜となりますので、肥料を切らさないように、追肥を忘れずに行いましょう。

収穫

種まきを行ってからやく2ヶ月後、株元の根の直径が5cm程度になったら収穫のタイミングです。
根元の近くの土を手で抑えながら、大きくなったビーツから真っ直ぐ引き抜いて収穫します。
収穫が遅くなると根が割れたり、すが入って味が落ちる原因になりますので、適期にきちんと収穫をしましょう。

失敗しない栽培・育て方のコツ

①ビーツの種は硬く、表面には発芽を抑制する成分が含まれます。
必ず種をまく前日に水に浸して、発芽率を上げましょう。

②ビーツは春まきと秋まきでの栽培が可能ですが、初心者の方には害虫の少ない秋まきでの栽培がおすすめです。
また害虫対策に寒冷紗によるトンネル栽培も効果的です。

③ビーツは気温が成長適温である15度以下になると、成育が進まなくなります。

よくある病気と害虫対策

病気

・軟腐病(株の地際部分が軟化して悪臭を放ちながら腐敗してしまう病気です。)
対策:高温多湿になると多く発生します。
被害株から伝染しますので、発生した株は早めに取り除き畑の外で処分しましょう。
「ヤシマストマイ液剤20」などの薬剤が効果的です。
水のやりすぎに注意して、水はけをよくしましょう。

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・褐斑病(葉に褐色の斑点が出来て、やがて枯れてしまう病気)
対策:多雨多湿で多く発生します。
発病した葉は他の株にうつらない様に、畑の外の土中に埋めて処分します。
葉が多く茂って風通しが悪くならない様に、株間を適切に取り、間引きをきちんと行いましょう。
また、プランターでは、雨が直接当たる場所での栽培を避けましょう。

害虫対策

・アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)
対策:発見次第手や筆などで払いおとし除去。アディオン乳剤、オレート液剤を使用した駆除。

・ハモグリバエ(幼虫が葉に潜り食害します)
対策:葉に白い線ができていたら葉ごと切って処分。

・ハダニ(葉の裏への群生により葉の色が抜ける)
対策:時々葉の裏を水で流す。

・ハモグリバエの予防と対策については、以下の記事で詳しく説明しています。
ハモグリバエ類の症状/予防/対策方法

・病害虫の対策と予防ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法

連作における注意

ビーツは連作障害があります。連続して同じ場所で栽培する場合、4年程あけて植えましょう。

主ビーツの種類

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1番目にする機会の多いベーシックな品種のビーツです。
病気などにも強く作りやすい品種です。

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紅白の年輪模様が美しい品種です。
真っ赤なビーツではなく、赤と白の年輪模様が特徴のビーツです。

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葉・根など全て紅色になるビーツです。

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紅色ではなく、濃い鮮やかな黄色の珍しいビーツです。

まとめ

ビーツはご家庭で簡単に栽培が楽しめます。サラダなど生食で利用しますので、害虫に十分対策をして育てるのがポイントになります。手軽にビーツの収穫を楽しみましょう。

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