カブの栽培方法と失敗しない育て方|地植え・畑編

カブの栽培と失敗しない育て方。畑・プランターで春と秋まき野菜の育て方
この記事は約9分で読めます。

家庭菜園初心者〜中級者の方へ、カブを庭や畑などで地植えする際の栽培手順を、種まきから収穫まで順序立ててわかりやすく解説します。
その他、カブは多くの品種がありますので、品種ごとの特徴や上手に育てるコツ、病気・害虫対策についてもご説明していきます。

この記事でわかること

・カブの栽培に必要な資材
・カブを栽培に適した時期と収穫までのスケジュール
・カブを育てる具体的な手順
・おすすめの品種
・よくある質問と栽培のポイント

・プランターでのカブの育て方は、以下の記事で詳しく説明しています。
プランターでカブの栽培方法と育て方のコツ

・小カブの秋・冬栽培の手順は、以下の記事で詳しく説明しています。
小カブ(蕪・かぶ)に最適な秋・冬栽培の手順と育て方のコツ

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カブとは

学名Brassica campestris L.
和名/別名カブ
英名Turnip
原産地アフガニスタン、南ヨーロッパ
科・属名アブラナ科・アブラナ属
主な栄養価カリウム/葉酸/βカロテン/ビタミンC/ビタミンK/カルシウム/鉄分
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栽培難易度

★☆☆(簡単)

育て方の大まかな手順

▼土作り・畝作り
▼種まき
▼間引き
▼追肥・土寄せ
▼収穫

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カブ栽培の特徴

・あまり土壌を選ぶことなく、種まきから収穫まで小かぶでおおそそ40日程度でできます。
・初心者の方でも比較的簡単に栽培が可能で、間引きのタイミングと時期を守れば、あまり失敗せずに育てることが可能です。
・カブには形や大きさなど沢山の品種があって、栽培の楽しみが広がります。
・栽培時期として、家庭菜園では害虫被害の少ない秋まきがオススメとされています。

カブの栽培時期

カブ栽培カレンダー

※春:春まきの場合/秋:秋まきの場合
品種によって栽培の時期が多少前後することがありますので、種の購入時に確認しておきましょう。

カブ栽培に適した環境

高温には弱く、水はけが良く保水性の高い土壌で、冷涼な気候を好みます。
種をまくタイミングが早すぎると、遅霜にあってしまったり、低い気温が原因でとう立ちすることがあります。

発芽地温20℃〜25℃前後
生育最適温度15℃〜20℃前後
種まき〜収穫までの期間50〜80日程度 
連作障害1〜2年

・家庭菜園で使用する道具ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園で使用する道具と使い方

失敗しない!カブの栽培手順

肥料・土づくり

①苦土石灰を散布(種まき2週間前)

苦土石灰をまく

カブは酸性の土壌に強い為、必要に応じて種まきの2週間前に苦土石灰を撒いておきます。(目安:100g※2つかみ程度/㎡)
参考pH値:5.5-7.0

② 元肥を施す(種まき1週間前)

耕す風景

種まき1週間前に堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡の元肥を施して良く耕します。

土を深めに耕して、元肥を多めに施すことで土壌の改良を促して発育が良くなります。排水の悪い土壌や場所での栽培は、畝を少し高めに作ることで改善されます。

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・肥料ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方

③畝作り(種まき1週間前)

カブの畝づくり

よく耕したら、土を盛り上げて幅60cm、高さ10〜20cmほどの畝を作ります。

秋まきの場合はマルチをして育てると生育がよくなります。

種まき

すじまき

支柱などの棒きれを使用して畝に深さ1cm程度の浅いくぼみをつくり、まっすぐたねが重ならないように1cm間隔で種をまきます(すじまき)。
種をまいたらすじまきした溝の両端の土を指で寄せて軽く土をかけて上から軽く手で押さえて土と種を密着させたら、ハス口のジョウロでたっぷりと水をやりましょう。

※マルチの場合は、1つの穴に種を5〜6粒蒔いて、5mm〜1cmくらい覆土(土をかぶせる)して手のひらで軽く押さえつけます。

マルチング

・種まきの種類と方法ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
種まきの種類と方法。すじまき・点まき・ばらまき・ポットまき

水やり方法

特に種まきから発芽までは、カブの種が流れてしまわないように注意してジョウロなどで優しく水やりを行います。
生育期以降は乾燥したら都度水やりを行います。水やりは午前中か午後の少し気温が低い時間帯で行うと、カブの根を傷めることがありません。

間引き

①1回目の間引き

カブの間引き

1回目の間引きは本葉が2〜3枚になったら行いましょう。生育の良くないものや病害虫被害のあるものなどから、株の混み合った部分を間引いていきましょう。
株と株の間が5cm程度になるように間引きます。

②2回目の間引き
2回目の間引きは本葉が4〜5枚になったら行いましょう。株間は小カブの場合12cm程度、中カブの場合15cm程度、大カブの場合20cm程度になるように間引きます。

追肥・土寄せ

土寄せの様子
土寄せの様子(写真はジャガイモ)

1・2回目ともに間引き後は追肥を行います。
条間に油かす、もしくは化成肥料30g/㎡(ひと掴み程度)をすじ状に施して軽く土と混ぜ合わせ、苗の株元を埋めるように軽く土寄せします。
追肥の際は苗の根を痛めることのない様に気をつけて行いましょう。

葉の部分に土寄せしないように注意して行いましょう。

収穫

カブ収穫

小カブは直径5cm程度、中カブや大カブは直径8〜13cm程度で収穫です。
(小カブ:種まきから40日程度、中・大カブ:種まきから60〜100日)
葉を持ってまっすぐ引き抜きましょう。

収穫の時期が遅れると根が割れてしまう原因になります。

失敗しない栽培方法のポイント

①必ず種を直にまいて育てましょう。育苗ポットやトレーなどに種をまいてから苗を植えると、根割れの原因になりますので注意してください。

②収穫時期を守って、なるべく少し早めに収穫しましょう。遅くなると根が割れたり、すが入って味が落ちる原因になります。

③連作は避けて、こまめに間引きをして、病気などに強い品種を選ぶと育てやすいです。

カブの栽培方法でよくある質問

葉っぱが大きくなってカブの根が大きくならない

土中の窒素が多すぎると葉っぱだけ大きくなりカブが太らない原因となります。
育てる時期によって窒素量を適量に変えることがポイントになります。
暑い時期ほど窒素の量を少し減らすようにしてみるとよいでしょう。

カブが綺麗に丸く育たない

種をまく時期に合わせて株間や条間を変えることがポイントとなります。
暑い時期に育てる場合は広く取って、寒い時期は狭めに取ります。
・春まき|株間:12cm-13cm/条間:13cm-15cm
・秋まき|株間:10cm-12cm/条間:13cm
また、間引きを行う際に、間引かずに残すカブの根を痛めることのないように、慎重に間引くもしくは、ハサミなどを使用して間引くこともきれいな丸い形のカブを収穫するポイントになります。

赤カブが赤くならない

赤カブは肥料が多すぎるときちんと育ちません。主に秋まきになりますが、品種によって肥料の量を守り、あげすぎないようにしましょう。

カブの根が割れてしまう

カブは生育期に水切れを起こすとカブが割れてしまう原因になります。
過度な水のやりすぎによる水はけの悪さは、病気の原因となりますので、土の表面が乾燥したら水やりをきちんと行って管理しましょう。また、収穫時期が遅れる事でも根が割れる原因になります。
育てるカブの品種に合わせて適期に収穫を行いましょう。

カブの表面にポツポツと穴が開く

キスジノミハムシの幼虫による食害が原因です。キスジノミハムシの幼虫は、春から夏にかけて根菜類を食害します。カブのようなアブラナ科の野菜は、連作をすることで病害虫の被害を受けやすくなりますので、連作を避けて栽培しましょう。また、4月頃に寒冷紗をかけてトンネル栽培することも害虫被害を少なくすることができます。

カブのよくある病気と害虫対策

病気

根こぶ病(野菜の根にこぶができて、葉や茎が萎れる)

対策:高温多湿になると多く発生。発生した株はすぐに畑の外で処分。
アルカリ性の土壌を嫌う為、「石灰」を土壌に施すと菌の拡大を予防できます。
水のやりすぎに注意して、水はけをよくしましょう。
また、同じ土での連作を避けましょう。

軟腐病(株の地際部分が軟化して悪臭を放ちながら腐敗)

対策:高温多湿になると多く発生。発生した株はすぐに畑の外で処分。
ヤシマストマイ液剤20などの薬剤を散布。
水のやりすぎに注意して、水はけをよくしましょう。

モザイク病(葉がモザイク模様になる)

対策:アブラムシの除去。

ベト病(斑点とカビが生えます)

対策:連作を避けて栽培する。病害にあった株は早々に除去しましょう。
風通しを出来るだけ良くして水はけが悪い場所の場合は、畝の高さを少し高めにしましょう。

害虫対策

ヨトウムシ(夜間に葉を食い荒らす)

対策:発見次第除去。(夜間に活動)

アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)

対策:発見次第除去。アディオン乳剤、オレート液剤を使用した駆除。

アオムシ(葉を食害)

対策:発見次第捕殺。ベニカベジフルスプレーなどの殺虫剤を散布。寒冷紗などをプランターにかけて栽培することで予防。

・病害虫の対策と予防ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法

連作における注意

カブは連作障害が起きます。同じ場所での栽培は、1〜2年空けて行います。
また、カブは、アブラナ科に属しますので、ブロッコリーやコマツナ、キャベツ、白菜、大根などとの連作も行わないように注意しましょう。

さまざまなカブの種類

主なカブの種類

小カブ直径5〜8cm程度の小さなカブ。
中カブ〜大カブ直径7〜14cm程度が中カブ、直径15cm以上が大カブ。
聖護院かぶ1.5〜3kg程度の大型のカブ。
天王寺かぶ大阪市天王寺付近で栽培されている、直径10cm程度のカブ。
温海(あつみ)かぶ山形県で栽培されている、表面が赤紫、中身が白色の直径10cm程度のカブ。
万木(ゆるぎ)かぶ滋賀県の西万木地方で栽培されている、表面が赤色、中身が白色の直径10cm程度のカブ。
金沢青かぶ表面が薄緑色、中身が白色の直径10cm程度のカブ。
日野菜(ひのな)滋賀県蒲生郡日野町で栽培されている、20〜25cm程の長細いカブ。
大野紅かぶ北海道北斗市で栽培されている、表面が赤色、中身が白色の直径10〜13cm程度のカブ。
飛騨紅かぶ岐阜県高山市で栽培されている、表面が赤色、中身が白色の直径12〜14cm程度のカブ。
すぐき菜京都市上賀茂地区で栽培されている、紡錘形の20cm程度の白色のカブ。 
黄かぶ表面が黄色~淡黄色のカブ。 
あやめ雪表面の上部分が紫色、下部分が白色の小さなカブ。 
赤かぶ表面が赤色、中身が白色の直径10cm程度のカブ。 
津田かぶ島根県の津田村で栽培されている、角のように尖った形をしているカブ。表面が赤紫色から白色へのグラデーションになっている。

・オススメのカブの品種と特徴については、以下の記事で詳しく説明しています。
プランター・畑で栽培するオススメのカブ(かぶ・蕪)品種・種類15選

まとめ

カブの育て方のコツは、間引きのタイミングです。間引きが遅すぎるのも早すぎるのも生育に影響があります。また害虫被害も多い野菜ですので、初心者の方は秋まきでの栽培がオススメです。春まきをする場合は、トンネル栽培などで被害から守り、美味しいカブを育てましょう。

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