家庭菜園をこれから始める初心者の方〜中級者の方へ、秋・冬の小カブ(蕪・かぶ)の育て方の手順を、写真とイラストでわかりやすく解説します。
栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、秋・冬栽培に適した小カブの品種、病害虫への対策、美味しく育てるポイントなどをご説明していきます。

・カブの育て方については、以下の記事で詳しく説明しています。
カブの栽培・育て方手順|直植え・畑

・プランターでのカブの育て方については、以下の記事で詳しく説明しています。
プランターでカブの育て方・栽培方法の手順とコツ

カブとは

小かぶの煮物料理

学名Brassica campestris L.
和名/別名カブ
英名Turnip
原産地アフガニスタン、南ヨーロッパ
科・属名アブラナ科・アブラナ属
主な栄養価カリウム/葉酸/βカロテン/ビタミンC/ビタミンK/カルシウム/鉄分

カブの栽培カレンダー

カブ栽培カレンダー

品種によって栽培の時期が多少前後することがありますので、種の購入時に確認しておきましょう。

小カブの秋・冬栽培の特徴と適した環境

小カブの発芽と生育の適温は15〜20度となり、気温が上がる夏の時期などはカブの根の成長が弱まります。
また、酸性の土壌を嫌い、酸性が強くなると極端に生育が悪くなります。
肥料については、同じ根菜類の大根などと比べて少なくても済みますが、水はけ・風通しの良い場所を選んで植える必要があります。
小カブは周年を通じて、畑はもちろん庭先のプランターなどでも比較的簡単に栽培を行うことができます。
種まきから収穫までの栽培期間は季節によっても異なりますが、一番短い夏どりで40日程度、もっとも長い冬どりで100日程度で収穫が可能です。
夏場にはアオムシやコナガなどの害虫が発生するので、防虫ネットなどで覆って栽培するのがオススメです。

小カブの秋・冬栽培の手順

小カブを秋まきで栽培する場合は、8月下旬から10月上旬にかけて種をまき、10月から12月に収穫を行います。
冬まきで栽培する場合は、10月から11月中旬にかけて種をまき、12月から2月に収穫を行います。
この季節の栽培は小カブの生育に最も適した温度条件になりますので、秋口以降は害虫も少なくなり栽培が比較的簡単で、多くの品質の良い小カブの収穫が期待できます。

1.秋・冬まきの小カブに適した土づくり(直植えの場合)

気温が上がらず日照時間も短くなる冬の小カブ栽培においては、栽培する場所選びは重要なポイントになります。出来るだけ日当たりの良い場所を選んで土作りを行いましょう。

①酸度調整

苦土石灰をまいている

小カブはアルカリ性の土を好みますので、植え付けの2週間前に苦土石灰をまいて土の酸度を調整し、よく耕しておきます。(目安:100g※2つかみ程度/㎡)

参考pH値  5.5-7.0

② 元肥を施す

耕す風景

小カブは土壌への適応性が広く、土壌の性質を問わずに栽培が可能ですが、より適した環境で育てるには火山灰土や有機質に富んだ砂壌土が適しています。
水はけの良さと保水性が成長に大きく影響する為、しっかりと堆肥をすき込んで耕しておきましょう。
また、生育期間が短く、カブの茎葉部分がある程度成長してから根が肥大するので、初期の時点から生育を促す必要がある為、元肥を多く施す必要があります。
植え付けの1週間前に堆肥3kg/㎡、化成肥料100g/㎡を施して良く耕します。

冬まきでの栽培は、特に関東地方などにおいては降水量が少ないため、水やりと保水性の高い土壌が重要になります。
栽培の2ヶ月前に土作り効果の高い腐葉土などの完熟堆肥を、多めにすき込んで耕しておきましょう。

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・堆肥別の効果については、以下の記事で詳しく説明しています。
野菜の土作りにおすすめの堆肥!種類別の効果と使い方

・肥料ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方

③畝作り

土を盛り上げて幅80cm、高さ10cm、条間は20cmで畝を作ります。
排水性や風通しが悪い場所での栽培時には、畝を5〜10cm高く設定します。
また、秋まきでの栽培は雨の多い時期になりますので、排水性には十分気を配ります。

2.秋・冬まき栽培のカブの種まき

すじまき

支柱などの棒きれを使用して畝に深さ1cm程度の浅いくぼみをつくり、まっすぐたねが重ならないように1cm間隔で種をまきます(すじまき)。
種をまいたらすじまきした溝の両端の土を指で寄せて軽く土をかけて上から軽く手で押さえて土と種を密着させたら、ハス口のジョウロでたっぷりと水をやりましょう。

※マルチの場合は、1つの穴に種を5〜6粒蒔いて、1cmくらい覆土(土をかぶせる)して手のひらで軽く押さえつけます。

3.トンネル栽培

寒冷紗シート

この時期のカブ栽培では、11月までは害虫対策に寒冷紗で、11月以降では気温が下がりすぎて霜が降りることがある為、ビニールでトンネルがけして栽培をします。
11月中旬までは寒冷紗でトンネル栽培を行い、以降は寒冷紗の上からビニールで覆います。また、本葉が3〜4枚になったら、トンネル内の気温が25度以上にならないように、時折ビニールの裾を捲り上げて換気を行いましょう。

4.カブの間引き

カブの間引き

①1回目の間引き

1回目の間引きは本葉が2〜3枚になったら行いましょう。生育の良くないものや病害虫被害のあるものなどから、株の混み合った部分を間引いていきましょう。
株と株の間が5cm程度になるように間引きます。

②2回目の間引き

2回目の間引きは本葉が4〜5枚になったら行いましょう。株間が10〜12cmになるように間引いて一方立ちとします。
生育の揃った株を残して、葉の色や形が異なる株や弱った細い茎の株などを間引きましょう。

5.除草

間引いた時に合わせて除草を行います。秋まきの小カブは、栽培期間に気温が徐々に下がるので、生育初期に除草を綺麗に行うことで、その後の除草がほぼ不要になります。

6.収穫

品種にもよりますが、9月上旬に種まきをすると〜45日、9月下旬の種まきで〜70日程度、10月上旬に種まきをすると12月下旬、11月中旬の種まきで2月上旬で収穫時期となります。
根の太さが5cm程度に育ったら収穫のタイミングです。
収穫は小カブの水分が高まる早朝がベストです。小カブは収穫の期間が5〜7日と短い為、遅れてスが入ることのないように適期に行いましょう。

小カブの秋まきで失敗しない栽培のコツ

1.種まき時の水分管理

種まき時に水やりを管理して、発芽を揃えることが良い小カブを収穫するポイントになります。

2.水はけと畝の設定

長い秋雨と台風などにより、湿害をうけて生育が悪くなる場合があります。水はけが悪い湿地での栽培の時には、畝を高く設定しましょう。

3.間引きの時期

間引きを適期に行いましょう。間引きする時期が遅れると、カブの根の肥大よりも葉や茎の成長が優先され、思う様にカブが大きく育たなくなる原因となります。
また、少し株間を余裕をとって間引きましょう。

4.害虫予防

種まき後に、害虫対策として防虫ネットや寒冷紗でトンネル栽培を行う場合、害虫がトンネル内に侵入または土中から出てきた場合、トンネル内が暖かく天敵もいない為、繁殖率が高くなります。
適宜トンネル内をチェックして、害虫を見つけた場合は捕殺、駆除を行いましょう。

5.連作による病気

連作は根こぶ病の発生率を高めます。
無理な連作は避けて数年おいて育てるようにしましょう。

無農薬栽培のポイント

質の良い完熟した堆肥を使用して、アブラナ科以外の作物と輪作を組むことで病害を防止しましょう。
株の間隔を広く取り、風通しを良くして、高い畝で栽培を行い排水性をあげましょう。
夏場に地面をマルチで覆い、太陽熱によって土壌消毒を行います。
栽培時には寒冷紗でのトンネル栽培で害虫を予防するとともに、白色やシルバーのマルチングを使用して、アブラムシの飛来を予防します。

秋・冬栽培で気をつけたい小カブ病害虫

病気

・根こぶ病(野菜の根にこぶができて、葉や茎が萎れる)

対策:高温多湿になると多く発生。発生した株はすぐに畑の外で処分。
排水性を高める為に畝を高く設定して予防します。
早まきを避けて、病気に耐性のある品種を選んで植えましょう。

・白さび病(葉の表面が錆びた様に、褐色の斑点が広がります)

対策:多雨多湿で多く発生します。
発生した株は早めに取り除き畑の外で処分しましょう。
排水性を高める為に畝を高く設定して予防します。
アブラナ科の野菜の連作を避けましょう。
間引きを適宜行い、葉の茂りを抑えましょう。
「マンネブダイセンM水和剤」「カリグリーン」などの薬剤が効果的です。
また、アルカリ性の土壌を嫌う為、「石灰」を土壌に施すと菌の拡大を予防できます。

害虫対策

・コナガ(葉の中に潜り込んで葉を食害)

対策:幼虫は捕殺。パイベニカ乳剤などの薬剤を散布。
寒冷紗などでのトンネル栽培で予防しましょう。

・キスジオミハムシ

アブラナ科の野菜の連作を避けましょう。

・アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)

対策:寒冷紗などでのトンネル栽培で予防しましょう。
シルバー/白色のマルチングを使用して飛来を予防しましょう。
アディオン乳剤、オレート液剤を使用した駆除。

・病害虫の対策と予防ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法

秋・冬栽培におすすめの小カブ品種

・白涼

秋に発生しやすい根こぶ病に強く、秋から春まきまで対応する早生品種。
気温が低い環境でも根・株ともに成長して耐寒性の高い品種です。
カブは白く艶やかで甘く、丸みのある円球です。

カブ種CR白涼 (4ml)かぶ 蕪

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・白鷹

一般的でポピュラーな小カブの品種です。
変形やス入りが少なく、病気にも強く、秋〜春まきに向いています。
低温でも成育が良く、葉も良く伸び根とのバランスも良いです。
かぶ部分は艶やかで光沢があり、肉質が柔らかく美味しいカブです。

カブ種子 武蔵野種苗園 野菜の種 小かぶ 白鷹 小袋

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・まるちゃん

成育の揃いが良く多くの収穫が期待できます。
カブは扁円球の形をしており、肉質が柔らかく甘みが強く美味しいカブです。

小カブ 種 『まるちゃん』 3.5ml(小袋) 渡辺農事

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・さまざまなカブの品種と特徴については、以下の記事で詳しく説明しています。
プランター・畑で栽培するオススメのカブ(かぶ・蕪)品種・種類15選

まとめ

小カブ(蕪・かぶ)の秋・冬栽培は、害虫や雑草なども少なく病気の心配もあまりせずに育てられる為、発芽を揃えて適度に間引きをきちんと行い、気温の管理を行うことが育て方のコツとなります。冬の間の甘い小カブの収穫を楽しみましょう。

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