家庭菜園をこれから始める初心者の方〜中級者の方へ、ニラの育て方の手順を、写真とイラストでわかりやすく解説します。
ニラ栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、プランターでの栽培方法、上手に育てるポイント、ニラの品種、病害虫への対策などをご説明していきます。
ニラ栽培の特徴
ニラは中国が原産と言われ、日本では古くから薬草として使われてきました。
ニラには、疲労回復に効くビタミンB1、ガン予防や免疫力を向上させるβカロチンやビタミンC・E、骨の健康維持や血液に良いカルシウムやマグネシウムなどを含み、スタミナを上げるアリシンも豊富で、非常に栄養価が高く健康に良い野菜です。
暑さにも寒さにも強く、虫も付きに食いため、1年中簡単に育てることができます。
また、コンパニオンプランツ(他の野菜の成長を助ける野菜)として、多くに利用することができます。
ニラの栽培カレンダー
ニラの種まきから収穫までの栽培時期・栽培スケジュールは以下のようになります。
ニラ栽培に適した環境
耐寒性・耐暑性に優れ、季節や土壌をそれほど選ばずに育てることができます。
少し日が陰ってしまう場所でも栽培することが可能です。
生育適温 | 15〜25℃前後 |
種まき〜収穫期間 | 60〜70日程度 |
ニラ栽培で用意するもの
1.ニラの苗
2.苦土石灰(100円ショップでも購入可能)
3.堆肥
4.化成肥料
・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)
・家庭菜園で使用する道具ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園で使用する道具と使い方
ニラの栽培/育て方
ニラに適した土づくり
①酸度調整
ニラは酸度土壌を嫌うので、植え付けの2週間前に苦土石灰をまいて土の酸度を調整し、よく耕しておきます。(目安:150g※3つかみ程度/㎡)
参考pH値 | 6.0-7.0 |
② 元肥を施す
種まき1週間前に堆肥3kg/㎡、化成肥料100g/㎡を施して良く耕します。
ヨウリンを50g/㎡程度施すと、生育に良い影響があります。
・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)
・肥料ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方
③畝作り
土を盛り上げて幅60cm、高さ10cmほどの畝を作ります。
ニラの植え付け
①苗の購入
6月〜7月にホームセンターなどで市販の苗を購入して植え付けを行います。
・苗と種の選び方については、以下の記事で詳しく説明しています。
野菜の苗・種の育て方と選び方(接ぎ木/ポット苗)
②苗の植え替え
畝に深さ15cmほどの穴を列で掘り、株間15cm程度の間隔で苗を1箇所に2〜3本づつ植えていきます。
植え終えたら、苗の根が隠れるくらいに土を被せて、手で軽く土を押して苗と土を密着させます。
作業を終えたら、たっぷりと水やりをしましょう。
種まきから行う場合は、3月下旬頃に条間15cm程度で、種が重ならないようにすじまきを行いましょう。
・種のまき方ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
種まきの種類と方法。すじまき・点まき・ばらまき・ポットまき
ニラの水やり
ニラは、水不足の状態になると葉が黄色く変色します。
水のやりすぎも生育に良くありませんので、土が乾いたら適度に水やりをします。
追肥・土寄せ・除草
①1回目の追肥
植え付けをして、本葉が10枚程度になったら、追肥のタイミングです。
株元に化成肥料30g/㎡(軽くひと掴み程度)を施してよく土と混ぜたら、
株元に土寄せを行いましょう。
②2回目以降の追肥
1回目の追肥から1ヶ月が経過したら、1回目と同様に追肥と土寄せを行います。
それ以降は、収穫した2年目以降の4月と9月に同様の追肥と土寄せを行うことで、収穫後も新しい葉が再生されて、収穫を引き続き楽しむことができます。
ニラは雑草と混じって、どれがニラか判別が付きづらくなるので、雑草が茂ってこないように除草しましょう。
ニラの収穫
植え付けの翌年に、草丈の高さが25cm〜30cm程度になったら収穫のタイミングです。
新しい葉がまだやわらかいうちに、根元から2〜3cm残して、株元をハサミなどで切り取って収穫します。
伸びてきた新しい葉を随時切り取って収穫しましょう。
収穫後に、化成肥料30g/㎡(軽くひと掴み程度)を施してよく土と混ぜ追肥しておくと、収穫を翌年以降も長く楽しむことができます。
失敗しないニラの栽培・育て方のコツ
①ニラは湿度に弱い野菜です。
水はけの良い場所を選んで栽培しましょう。
②4年ほど栽培した時点で、一旦掘り起こして、株分けして苗を増やすことができます。
③とう立ち(花が咲く)をしてきた場合は、早めに収穫をしてしまいましょう。
ニラのよくある病気と害虫対策
病気
・ベト病(葉に灰白色のカビ、黄色い斑点が発生)
対策:水はけを良くする。チッ素を多くしない。
・サビ病(葉に黄色い斑点が発生)
対策:水はけを良くする。病害を受けた葉は摘み取って捨てる。
害虫対策
・アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)
対策:発見次第除去。
・病害虫の対策と予防ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法
ニラの連作における注意
ニラは連作障害がありません。
ニラの種類
とう立ちした花と茎を食す「テンダーポール」。大葉のニラで「グリーンロード」、「ワイドグリーン」、栽培しやすい肉厚の「広巾ニラ」などの種類があります。
まとめ
ニラの育て方は、水はけの良い土壌でさの栽培が大切です。
1年目は茎を太らせて収穫をせず、2年目以降から収穫を長く楽しみましょう。
MAKI
埼玉県南中部に自らの畑を持ち休日に農業を行う。農薬を一切使用しない無農薬栽培歴は今年で8年。年間20〜30品目の野菜を栽培。