ミニトマトの栽培・育て方手順|地植え・プランター

ミニトマトの育て方 野菜の育て方
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家庭菜園をこれから始める初心者の方〜中級者の方へ、ミニトマト(プチトマト)の育て方の手順を、写真とイラストでわかりやすく解説します。
ミニトマト栽培の特徴、種まきから収穫までの栽培時期と手順、水やり、プランターでの栽培方法、上手に育てるポイント、ミニトマトの品種、病害虫への対策などをご説明していきます。

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ミニトマト栽培の特徴

ミニトマトは、南米ペルーやチリなどのアンデス地方原産のトマトを品種改良した野菜です。
色や大きさ糖度など、様々な品種が生まれ、食べるだけでなく、栽培の楽しさも広がります。
また、がん予防にもなるβカロチン、老化防止に効果的なリコピン、高血圧予防に効果のあるルチンなどの栄養素を多く含む、夏を代表する野菜です。

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ミニトマトの栽培カレンダー

ミニトマトの栽培カレンダー

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ミニトマト栽培に適した環境

ミニトマト栽培に適した条件
直射日光が強く当たる場所、昼夜での温度差が激しい、乾燥した条件、日当たり、水はけが良く風通しの良い場所を好みます。
大玉・中玉トマトと比べて、ミニトマトは比較的手間なく育てることができます。

生育適温 25℃前後
種まき〜収穫まで  40〜60日

・中玉・大玉トマトの育て方については、以下の記事で詳しく説明しています。
中玉・大玉トマトの栽培と育て方のポイント

ミニトマトの栽培/育て方

ミニトマトの苗選び

①苗の購入

トマトの苗

ホームセンターなどで苗を購入します。
茎が太く節の間が程よく詰まっていて、花が大きく蕾があり、葉が濃い緑色でツヤのある元気な苗を選びましょう。節間が長いものや、茎が細くがっちりしていないものは避けましょう。

②苗の植え替え時期

市販の苗を購入した後に、一番花房(初めにつける花)が咲くのを待って、プランター栽培の場合は大きめのプランターへ、地植えの場合は畑への植え付けを行います。

・苗と種の選び方については、以下の記事で詳しく説明しています。
野菜の苗・種の育て方と選び方(接ぎ木/ポット苗)

ミニトマトに適した土づくり

ミニトマトの根は、深く広がるので、プランターでは大きめのサイズを、畑では深目に耕して水はけをよくすることがポイントになります。

【プランター栽培時の土づくり】

市販の元肥・pH調整済みの野菜用培養土を使用すると楽に栽培ができます。ホームセンターなどで十分な量の土を購入しましょう。

 

【地植え栽培時の土づくり】

①酸度調整

苦土石灰をまいている

ミニトマトは酸性土を嫌うので、植え付けの2週間前に苦土石灰を多めにまいて耕しておきます。(目安:150g※4つかみ程度/㎡)
・参考pH値:6.0-6.5

② 元肥を施す

種まき1週間前に堆肥4kg/㎡、化成肥料100g/㎡、ヨウリン30g/㎡を施して良く耕します。

・堆肥については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

・肥料ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方

③畝作り

土を盛り上げて幅120cm、高さ20cmほどの畝を作り表面を平にならしておきます。

ミニトマトの畝作り・植え付け

【プランター栽培時の植え付け】

ミニトマトの植え付け
①植え付け

第1花房が咲いたら植え付けの時期です。
初めはプランターの6分目程度に浅めに土を入れます。
苗をプランターの中心(2株以上植える時は40cm以上離して)に植えます。
株は根元が少し埋まる程度にします。

②支柱立て

ミニトマトの支柱

株元には仮の支柱を立てて、苗と麻紐などで結び誘引します。
また、プランターには市販の長めの支柱を立てましょう。

③水やり

できるだけ葉が濡れないように、土部分に沢山水やりをしましょう。

【地植え栽培時の植え付け】

①畝づくり・マルチング

マルチング

幅120cm、高さ20cm程度の高めの畝を作り、マルチングをします。

②支柱立て

植え付け後すぐに誘引ができるように支柱を立てます。
支柱は合掌式か直立式、もしくはホームセンターなどでアーチ状の支柱が販売されています。

合掌型

合掌型

アーチ型支柱

アーチ型支柱

ビニールなどで雨よけを用意しましょう。雨でトマトが割れてしまうことが少なくなります。

③植え付け

寝かせてトマトの苗を植える様子

晩霜がなくなる時期に、第1花房の花が開花する苗を株間50cm、条間60cmの2列で植え付けます。
マルチに植え穴を作り水をやり、水が引いたら、苗は寝かせて植え付けるようにしましょう。
植え付け後は水を与え、植え付け後1週間以降は水やりをできるだけ制限します。

・ミニトマトは花のある側に実が着きますので、花房を外側に向けて植え付けましょう。内側に向くと日当たりが悪くなり収穫低下の原因になります。

・ミニトマトは寝かせて植えることで、茎から根を生やして水や肥料を吸い込む力を高めて収穫を増やすことができます。
※土に埋まる部分の茎から生えている葉は摘んでおきましょう。また、接木苗は寝かせて植えることができませんので、直立に植えます。

ミニトマトの水やり

トマトはあまり水やりを多く必要としません。
プランター栽培の場合は、土が完全に乾いている時に制限して水やりをします。
地植えのトマトは基本的にあまり水やりの必要はありません。
地面がカラカラに乾いている時、追肥する時などに様子を見ながら、できる限り制限して水やりを行いましょう。

誘引・受粉

①支柱への誘引

トマトの苗の誘引

トマトの茎が伸びてきたら、支柱に誘引して成長させます。
麻紐などを利用して、茎と支柱にを8の字に紐をかけて縛ります。
あまりきつくなりすぎないように注意します。
以降も枝の成長に合わせて支柱に結び、枝を誘引して伸ばしていきます。

②受粉

トマトの受粉

トマトは花同士が受粉することで着果します。
人が人工的に受粉作業をしなくても自然に風などの力で受精されますが、受粉確率を上げる為に、花を軽く揺らして受粉を助けます。

わき芽かき

わき芽かき

茎や葉が成長してくると、葉のつけ根からわき芽が出てきます。
わき芽は生い茂って日当たりを悪くしてしまうので、本葉と間違えないようにして小さなうちにすべて摘み取ります。

・わき芽は、ハサミを使わずに手で行いましょう。また、晴れている午前中などに行うことで傷口からの病害を予防することができます。また、ミニトマトは、タバコに潜むウイルスによって病害を受ける可能性がありますので、喫煙者の方は手を洗ってから、わき芽かきなど手入れをしましょう。

初心者でもできる!収穫量を1.5倍にする2本立て

2本立て

ミニトマトの栽培においては、主となる枝と1番花房の下にあるわき芽を伸ばして、2本の枝にして育てる方法(2本立てと言います)があります。2本立てで育てることで、実を着ける枝が増えて、収穫量が1.5倍になります。2本立てにした枝以外のわき芽は摘み取りましょう。
※勿論、すべてのわき芽を取り除いて、主枝1本で育てても育ちます。
その他にも、1本立てにして伸ばして、摘芯をしないで支柱の先端で落ち返して地面に向けて栽培する「Uターン整枝栽培」や、初心者向きではないですが、連続的に摘芯してわき芽を伸ばしていく「連続摘芯栽培法」などがあります。

追肥・増し土

第1花房のトマトに実が着いた頃に追肥を行います。
1株に小さじ1杯程度の化成肥料20g/㎡を、少し株から離れた位置に穴を開けて施します。
以降は15日に1度追肥を同様に行います。
また、追肥の後は軽く増し土(土を株元に足す)をします。

・トマトの栄養状態について
葉が上を向いて色も淡く、葉の間隔が空きすぎている場合は、栄養不足状態なので、追肥を多めに行いましょう。

摘芯

摘芯場所

ミニトマトが成長して、植え付けから2ヶ月程度経過すると、主枝の高さが支柱を超えてきますので、摘芯を行います。
一番上の実が着いているトマトの枝の上2枚の枝を残して、主枝の先端を手で折り切ります。
※摘芯しなくても栽培は可能です。

ミニトマトの収穫

ミニトマト収穫

ミニトマトが赤く色づいたら収穫のタイミングです。
へたを持って上に持ち上げることで簡単に収穫できます。

失敗しないミニトマト栽培・育て方のコツ

①トマトは多くの水分を必要としません。水やりはできるだけ控えめにして育てましょう。

②トマトは第1花房に必ず受粉させて、栄養のバランスを良くすることが大切です。必要であればホルモン処理をして確実に結果させましょう。

③2本立てにする芽以外のわき芽は取り除きましょう。日当たりをよくして病害を防ぎ、トマトに日光を当てて美味しいトマトを育てましょう。

④トマトは連作障害があります。ナス科の植物を避けて栽培しましょう。

⑤ホームセンターなどで売られている苗は、ポットの状態で開花まで育ててから植え付けを行いましょう。

⑥コンパニオンプランツ(病害虫予防・成長を助ける)として、ニラ、バジルと一緒に植えると効果があります。

⑦ミニトマトは畑でカラスなどの鳥害に遭いやすい野菜です。
特に収穫時の赤いトマトは狙われて収穫前に食べられてしまうことが多々ありますので、網を張るなどして守りましょう。

ミニトマトのよくある病気と害虫対策

病気

モザイク病(葉がモザイク模様になる)
対策:アブラムシの除去。
疫病(茎や葉に黒褐色の斑点ができる)
対策:発症後、殺菌剤を4〜5日おきに散布
青枯れ病(葉が緑のまま萎れて枯れる)
対策:水はけのよい土に植える。畝を高めにする。
萎凋病・半身萎凋病(葉が変色して萎縮して伝染する)
対策:病害にあった株は早々に除去。連作を避ける。
灰色かび病(葉や茎の切り口に灰色のカビ)
対策:発症後、殺菌剤を4〜5日おきに散布

害虫対策

アブラムシ(新芽・新葉への群生により植物の汁を吸う。病気の媒介)
対策:発見次第除去。
ハモグリバエ(葉の中に幼虫が入り食害)
対策:葉の上から潰す。葉ごと処分。

・病害虫の対策と予防ついては、以下の記事で詳しく説明しています。
家庭菜園の野菜の病気と害虫対策・予防方法

ミニトマトの連作における注意

ミニトマトは連作障害が出ます。同じ場所でのナス科の栽培は、4〜5年空けて行います。

まとめ

ミニトマトの栽培は、水分を与え過ぎず、わき芽かきを行って病害予防をすることがポイントになります。
また、2本立てなどを行って沢山のトマトを収穫しましょう。

 

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