野菜の土作りにおすすめの堆肥!種類別の効果と使い方

堆肥による土壌改良の様子 野菜栽培の基礎知識
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家庭菜園での野菜の土作りにとって欠かすことのできない堆肥について、その様々な種類の効果と使い方を解説します。
堆肥のそれぞれの特徴を学び、自分の作りたい野菜や、畑・土壌の状態に合った堆肥を選んで施して、良い土作りに活かしましょう。

・堆肥の作り方については、以下の記事で詳しく説明しています。
堆肥とは何?堆肥の作り方(落ち葉・生ゴミ・牛ふん)

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堆肥がもたらす土作りへの効果

堆肥を適切に施さず、ずっと野菜作りを行なっていると、土が痩せ土壌の状態が悪くなっていきます。堆肥選びと施し方による土作りは、良い野菜作りの大切な第一歩となります。
良い堆肥は土壌にいる微生物の食料となり、微生物たちの増殖へと繋がり、野菜が育つのに最適な土へと変化を続けるのです。

良い堆肥が与える土作りへの4つの影響

1.土が団粒化してフカフカになっていく

土壌中の微生物が増えるとともに、土が自然と粒状にまとまってフカフカした土へと変わります。そうした土は保水性に優れ、水やりや雨などによって土壌に水が入ってきたときに、必要な水を蓄えて、不要な分の水は隙間を流れていき、土中に空気もたくさん含む為、土が固くならず排水性がよく野菜の成長に欠かせない循環を作ります。

2.栽培する野菜へ成長に必要な養分を長く穏やかに供給する

団粒状の土の隙間の中を、野菜の根が広くびっしり張ることで野菜の養分や水を土から吸います。

3.肥料を大量に与えることなく野菜がよく育つ

野菜の成長を支える根がフカフカの土に地下深く根付くことで、野菜自らがどんどん土を耕して養分を吸収します。堆肥は微生物や根が作る循環などにより、大量の肥料を必要とせずに、長期間の養分を土に与えます。

4.病気や害虫から野菜を守る

良い堆肥は土壌の生物活性を高めます。土壌の微生物が増殖することで、野菜に害を与える微生物の増殖を抑え病気などが少ない土へと変わります。
他に寄生性センチュウなども減少します。

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堆肥の使い方と3つのポイント

堆肥を畑に施している様子

堆肥はきちんと畑に施すことによって、さらに土壌への効果を増幅させます。
以下、3つのポイントを守って施すことで土壌改良を高めましょう。

1. 堆肥の施し方

野菜を育てる際に、育て方を調べると堆肥を土にすき込むとよく書いてありますが、畑の状態によって施し方を変えると良いでしょう。
新規や新規に近い土壌へ堆肥を施す場合は、30cm程度の深さでよく畑を耕して堆肥を全体へすき込んで利用します。
2回目以降は土の表面5cm程度の浅い部分に堆肥を混ぜるようにします。
畝を立てて表面全体に堆肥を撒きます。分量の目安としては1㎡あたり3ℓ程度の堆肥が必要です。あとはレーキなどを使用して、表面の土と混ぜて完了です。
土の表層部分には空気を含んで活性が進みやすい環境が整っています。堆肥を餌にして微生物が効率良く表層からフカフカの土へと変化させていきます。

2. 堆肥の量を守りましょう

堆肥を畑へ施す少ないと野菜の葉の色が浅すぎたり、成長が思うように進まなかったりしますが、逆に量が多いと害虫が増えます。畑へ施す量の目安としては1㎡あたり3ℓ(2kg)です。
また、新規の畑では土壌の微生物増殖による団粒化が進んでおらず、養分も不足しがちなので、1㎡あたり10ℓ(6kg)程度の多めの堆肥を施して、一気に土壌改良を促進させることがポイントです。
その際に、牛糞や鶏糞などの動物質堆肥と、腐葉土などの植物質堆肥を半々で使用すると土壌の改良が長期的に良く進みます。

3. 未熟な堆肥は使用しない

悪い微生物を増やすことは後々の野菜作りに大変苦労することになります。
完熟していない未熟な堆肥は決して使用しないように心がけましょう。
家畜の糞のにおいがする未熟な堆肥は完熟を待って使用するか、再発酵・熟成させて使用することが可能です。
雨よけ行った場所で堆肥を積んで、古いカーペットを被せて4ヶ月程度再発酵させたら使用することができます。

未熟な堆肥を再発酵・熟成させる方法

・用意するもの
堆肥/米ぬか…堆肥の量の5%程度/水/古いカーペットか古い毛布

・仕込み方

1.水分調整

スコップで未熟な堆肥に米ぬかを混ぜ合わせます。
量は堆肥1㎡に対して50ℓ程度。
水を加えて少しづつ混ぜ合わせていきます。(堆肥を手で握って団子になるの程度が水の適量)

2.再発酵

雨のかからない場所で堆肥をドーム状に積み上げて、古いカーペットなどで覆います。
1週間後に切り返しを行い、乾いていたら水を適量加えます。
以降は1週間に3〜4回切り返して温度が安定してきたら切り返し終了です。
古いカーペットをかけてそのまま4ヶ月程度完熟させて、家畜の糞の臭いが消えたら完了です。

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堆肥の種類と効果それぞれの使い方

ホームセンターなどの資材店に足を運ぶと、様々な堆肥の種類が並んでします。いずれも土作り効果と野菜への養分供給が堆肥の効果としての基本になりますが、効能や特徴が堆肥によって変わります。
堆肥の特徴を大まかに掴み、土壌改良へ堆肥選びに活かしましょう。

・堆肥と肥料の違いについては、以下の記事で詳しく説明しています。
肥料の三要素・種類と効果。ぼかし肥の作り方

主材料の違いにより堆肥は2種類に分かれる

堆肥は主材料の違いによって、植物質堆肥と動物質堆肥に分かれます。
植物質堆肥は、落ち葉やもみ殻、藁などの植物質の有機物が主材料。
有機質堆肥は、牛糞、豚糞、鶏糞などの家畜の糞が主材料の堆肥です。

肥料効果が高い堆肥

発酵鶏糞

鶏糞に植物性の副資材を加えた堆肥。肥料成分が多く野菜への肥料として即効性を持つ為、肥料として利用をします。窒素・リン酸・カリウムが豊富。

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ボカシ肥料

魚粉、草木灰、油粕、米ぬかなどを混ぜて発酵させて作った肥料です。堆肥だけでは不足しがちな土壌の養分補給に活躍します。また、土壌の微生物を増幅させます。

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米ぬか

堆肥だけでは不足しがちな養分を土壌に補給します。即効性はなくゆっくりとした効き目で、堆肥と一緒に施すことが多いです。土壌の微生物も増やす効果があります。

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豚ぷん堆肥

豚の糞に植物性の副資材を混ぜて堆肥にしたものです。肥料成分がやや高く、ボカシ肥料との併用では施しすぎには注意が必要です。

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土作り効果が高い堆肥

腐葉土

ナラ、クヌギ、桜などの広葉樹の落ち葉を長期間堆積して作った完熟の植物質堆肥です。熟成された腐葉土は土中で微生物が好んで食べる良質な餌になります。
土壌をフカフカに団粒質にする土作り効果に強い効果が望めます。
肥料効果はほぼなく、ボカシ肥料や米ぬかなどの有機質肥料と併用して活用します。
特に家庭菜園などで土作りを始めた頃などは、肥料効果を気にしがちですが、土壌の改善はもちろんのこと、腐葉土には多くのミネラルが含まれ、野菜が美味しく育ちます。また、病気が出がちな畑を健康にする効果もあります。

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バーク堆肥

木の樹皮に鶏糞などを加えた堆肥です。繊維質を多く含み、樹皮はゆっくりと分解され有機物の少ない砂質土壌での保水性や保肥力を改良するのに効果を発揮します。
肥料効果は少ないので、ボカシ肥料などと併用して使用します。

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もみ殻堆肥

米のもみ殻に鶏糞などを混ぜて堆肥にしたものです。もみ殻のかたい殻によって空気の層を作り、水はけや通気性などが向上します。
土の団粒化を促進させて保水性や保肥力を高めます。
どんな土質の畑でも向く堆肥で、特に粘土質の土壌では劇的な土壌改良が進みます。
肥料効果の高いものもあるので、肥料との併用は注意して使用します。

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肥料と土作り効果がバランスよく得られる堆肥

牛糞堆肥

牛糞に植物質の副資材を加えた堆肥。やや緩やかな肥料効果と高めの土作り効果がバランスの良い堆肥です。
肥料効果の高いボカシ肥料などと合わせて使用すると、野菜の成長を促進します。

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馬糞堆肥

ホームセンターなどではあまり見かけないうまのふんに藁や樹皮を混ぜて作った堆肥。繊維質を豊富に含み、土作り効果が非常に高い反面、肥料効果はやや弱くボカシ肥料などと併用して使います。

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落ち葉堆肥

落ち葉に米ぬかなどを加えて作る堆肥です。市場で売られていることはほとんどなく、半年ほどかけて手作りします。ミネラルが豊富で土壌分解を促進させて土作り効果が高いです。

雑草堆肥

刈り取った雑草を利用した堆肥です。落ち葉堆肥と同様に高いミネラルによる土作り効果が魅力です。

その他おすすめの少し変わった堆肥の種類

・カルコンポ

豚糞とゆで卵、卵の殼、樹皮などをブレンドした堆肥。カルシウムやミネラル、鉄分を良く含んで、土壌を改善します。

・竹の堆肥

竹の粉末を発酵させて作った堆肥。堆肥に含まれる乳酸が土壌の肥料成分を分解して、植物の根から養分を吸収しやすくします。
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・ニーム堆肥

牛糞と広葉樹の樹皮を完熟させた物に、ニームを配合した堆肥。土壌の活力を強化して害虫に負けない土作りに役立ちます。
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まとめ

美味しい野菜を作るのに堆肥は欠かせません。多くの堆肥の種類がありますが、土作りと肥料効果をバランスよく施して、良い土で野菜の成長を高めましょう。

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