通常種まきは、直接畑などへ種をまく「直まき」と、ポリポットやセルトレーなどの育苗のものや、プランターなどへまく場合があります。
いずれも種まきの方法としては、ほぼ「すじまき」「点まき」「ばらまき」のうちどれかで行う為、
この3つの種まきの方法を詳しくご紹介します。
1.種まきに適した状態とまき方の選び方
種まきは雨が少し降った翌日など、土が若干湿った状態で行います。
まきたい時期に土が乾燥している場合は、少し水をまいて湿らせてから行うと良いでしょう。
種のまき方として、「すじまき」「点まき」「ばらまき」の3種類がありますが、栽培する野菜に合わせていずれかを選択します。
基本的には、株間が狭くても大丈夫な野菜は「すじまき」、株間を広めに取る必要がある野菜は「点まき」、種まき後に覆土(土をかぶせる)しない野菜は「ばらまき」で行います。
また、直まきで気温や地温の状態を管理がしにくい野菜は、ポットまきやセルトレーなどにまいて、育苗してから畑に植えると失敗しにくくなります。
2.すじまきのやり方
すじまきは種が細かい野菜や、大きく育たず成長の早い野菜などに適しています。
ほうれん草や小松菜、春菊など、間引きしながら育てる野菜はすじまきで行いましょう。
1.まく溝をつくる
湿った土に、支柱などを押し付けて溝を作ります。
2列以上すじまきする際は、列の間隔をとります。
2.種をまく
作った溝に種が重ならないように、種を指でつまんで親指と人差し指をこする様にしてまくことで、一粒づつ種をまくことが出来ます。
3.種を埋める
種をまいた溝の両側を指で挟む様になぞって、種に土をかぶせます。
4.土を密着させる
かぶせた土を手のひらで軽く押さえて種と土を密着させます。
5.水やり
種まき後はたっぷりと水をやりましょう。
3.点まきのやり方
点まきは種が大きい野菜や、根菜類などの大きくなる野菜に適しています。
主な野菜には大根、かぼちゃ、インゲンなどが挙げられます。
1.まく穴を作る
ビンや蓋の底などを利用して、土にくぼみを付けて、5〜10cm程度の種をまく穴を作ります。野菜の株間に合わせて行いましょう。
2.種をまく
くぼみの中に種を等間隔に重ならない様にまきます。
まく種の数は野菜ごとに異なります。
3.種を埋めて水やり
まわりの土をかぶせて、種と土が密着するように手のひらで軽く押さえたら、水やりを行いましょう。
種まき後、野菜の種を食べに鳥がくることがあります。
発芽まで寒冷紗をかけたり、ペットボトルを輪切りにして点まきした上におくなどすると鳥害を防ぐことができます。
4.ばらまきのやり方
ばらまきは種がこまかいセリ科などに野菜に適しています。
主にはレタスなどが挙げられます。
ばらまきは種まき後に土をかぶせないので、十分に土を湿らせてから行います。
種が重ならない様に均等にばらまきましょう。
土は全くかぶせないか、ふるいで土を軽くかぶせる程度とします。
水をあげる際には種が流れない様に優しくあげましょう。
5.ポットまき/セルトレーまき
発芽の温度が高いものなど、温度管理が必要な野菜や、発芽や育苗中に失敗しやすい野菜はポットまき・セルトレーまきで行います。
1.土を入れる
ポットまたはセルトレーに湿った土をすりきり一杯入れます。
2.種まき
土に指で穴をあけて種を入れます。穴は指の第一関節程度で良いでしょう。
種を入れたら土をかぶせて軽く上から押さえます。
3.水やり
種をまいたポットに対して、たっぷり水やりをします。
目安はポットを持ち上げて、下から水が出るくらいです。
まとめ
発芽を揃え、良い苗を作ることは、その後の野菜の生育に大きく影響します。
すじまき、点まき、ばらまき、ポットまきと、育てる野菜に適した種まきを選択して元気な野菜を作りましょう。

MAKI
埼玉県南中部に自らの畑を持ち休日に農業を行う。農薬を一切使用しない無農薬栽培歴は今年で8年。年間20〜30品目の野菜を栽培。